2025年5月~6月 ヨーロッパ旅行(ポルトガル、スペイン、フランス)
滞在していたアヴィニョンから日帰りでアルル(Arles)の町を訪れました。
アルルは、紀元前1世紀にローマの植民都市となり、栄えた町。旧市街には、円形競技場(Les Arenes)、ローマ劇場(Théâtre Antique)、コンスタンティヌスの共同浴場(Thermae of Constantine)といった古代ローマ遺跡が数多く残っています。

「古代ローマの植民都市だった町で見事な円形競技場が残っている」という点では、今回の旅で訪れたニームと同じなのですが、実際に訪れてみると、アルルの街とニームの街は雰囲気がまったく異なります。
ニームは17世紀に街が発展したこともあり、町の雰囲気がとても優雅だし、今現在も発展をし続けている町というイメージなのですが(→ ニームを訪れた時のブログはこちら)、一方のアルルは、時代に置いてきぼりにされたような、ノスタルジックな雰囲気のある町なんです。


地理的にも近い2つの古代ローマ植民都市が、その後の歴史の移り変わりで、こんなにも雰囲気の違う町になったというのは、とても興味深いですね。
アルルは、11世紀~12世紀にかけても、神聖ローマ帝国のもとで再び発展した時期があり、この時代に建てられたサン・トロフィーム教会(Cathédrale Saint-Trophime d’Arles)もアルルの見どころのひとつです。

ロマネスク様式の彫刻で飾られた教会のファサードも大変美しいのですが、私が特に気に入ったのが、教会に隣接する回廊(Cloître Saint-Trophime)です。

回廊の柱には、表情豊かなロマネスク様式の彫刻が刻まれています。


ロマネスク様式の彫刻は、まるで漫画のようにユーモラスなものが多いので、大好きなんです!

回廊からは2階のエリアにも上ることができるようになっていて、そこからの眺望も素晴らしいです。

アルルといえば、画家ファン・ゴッホが愛した街として知られています。ファン・ゴッホは、アルルに15カ月間滞在し、「夜のカフェテラス」「ローヌ川の星月夜」「アルルの跳ね橋」など数多くの作品を残しました。アルルには、ファン・ゴッホゆかりのスポットや、作品の題材となった場所が数多く点在しています。


アルルは知名度が高い町なので、もっと観光客ずれしたところなのかなと思っていたのですが、実際に訪れてみると、陳腐な土産物屋などもなく、田舎町の風情があり、その一方で、カフェやレストランが並ぶ広場があったりと、適度な賑やかさもあり、とても素敵な町でした。





アヴィニョンからの日帰りでも、主要な観光名所を回ることは十分にできたけど、1~2泊して、気の向くまま旧市街をぶらぶらと散策したかったなあと思いました。
アルルへのアクセス
- アヴィニョン中央駅から電車で約20分
- マルセイユから電車で約50分
- ニームからバスで約50分(電車もあるが本数が非常に少ない)
- アヴィニョン、マルセイユともに、電車の本数はそれほど多くないので、日帰りの場合は帰りの電車の時間をチェックしておくことをおすすめします。
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