ポルトガルのエヴォラから高速バスで約2時間、スペインのメリダ(Merida)という町にやってきました。
メリダは、スペインのエストレマドゥーラ州の州都です。エストレマドゥーラ州はポルトガルと隣接しているので、ポルトガルから陸路でアクセスしやすい地域です。
メリダは、紀元前25年に、ローマ帝国によって築かれた町。古代ローマの遺跡が数多く残っており、メリダの考古遺跡群としてユネスコの世界遺産に登録されています。
ちなみに、メリダは、「遺跡がいっぱいある町」であって、「街並みが美しい古都」ではありません。もちろん、歴史を感じることはできるのですが、街並みはいたって普通。古代遺跡を訪れるのが大好きな私にとってはとても楽しい町でしたが、遺跡に興味がない方にとっては、遺跡ばかりなのでちょっと飽きちゃうかもしれません。
私の場合、メリダの町がポルトガルからスペインのカセレスへ移動する通り道にあたることもあって、この町に宿泊してじっくり遺跡を見学しましたが、そうでない方は、街並みの美しいカセレスに泊まって、カセレスから日帰りでメリダの遺跡群を訪れるほうが楽しめるかもしれません。
円形闘技場とローマ劇場
メリダの一番の見どころは、円形闘技場とローマ劇場の遺跡です。広い敷地内にこの2つの遺跡があって、円形闘技場→ローマ劇場の順番で見学できるようになっています。
メリダの円形闘技場(Anfiteatro Romano)は、紀元前8年に築かれたもの。

ここでは、グラディエーター(剣闘士)による格闘のエンターテイメントが行われていました。観客の収容人数は、1万5千人以上。ローマのコロッセオと比べると規模にはまったく敵いませんが、ローマのコロッセオが造られたのが西暦80年ですから、それよりも90年近く前に造られたものなんですね。

闘技場への入口の造りも見事で、古代ローマの建築技術の凄さを感じました。
そして、次に見学したローマ劇場(Teatro Romano)は、円形闘技場よりも更に古く、紀元前15年~16年にかけて建造されたもの。

舞台の後ろに並ぶ大理石の円柱が圧巻です。私が今まで観たことがある中で、最もエレガントで美しいローマ劇場だと思いました。

このローマ劇場は、今でも演劇やフェスティバルなどの会場として使われています。私が訪れた時はイベント準備の作業が行われていました。こんな古代遺跡の中で観劇したら、きっと、めっちゃ感動しますよね!
ローマ劇場の裏手には、美しい庭園があり、こちらにも遺跡が点在しています。

円形闘技場とローマ劇場の入場料は€13(他の遺跡とのコンビネーションチケットは€17)。メリダを訪れたら、ここは必見。ここを見学しないのであれば、メリダに来る価値はありません。
国立古代ローマ美術館
メリダの国立古代ローマ美術館(Museo Nacional de Arte Romano)には、彫像やレリーフ、モザイクなど、古代ローマ時代の芸術品が数多く展示されています。

特にモザイクのコレクションが素晴らしく、感動しました。


美術館の場所は、円形闘技場とローマ劇場への入口のすぐ近く。入場料は€3です。(月曜日は休館。)
ミトレオの家
ミトレオの家(Casa del Mitreo)は、古代ローマ時代(1世紀末~2世紀初頭)の豪邸の遺跡です。


床モザイクなども残っていて、遺跡としては価値のあるものだと思いますが、正直、それほどインパクトのある遺跡ではありません。入場料は、遺跡のコンビネーションチケットに含まれていますが、単独のチケットだと€6です。町の中心から少し離れていますし、ここはコンビネーションチケットを持っていて、時間があったら訪れる程度でいいかな、と思います。
アルカサバ
アルカサバ(Alcazaba)は、イスラム統治時代(9世紀)に建てられた城塞です。

古代ローマ時代の城壁を利用して造られたので、城塞内部にも、古代ローマ時代の遺跡とイスラム統治時代の遺跡が見られます。

アルカサバでは城壁の上に登れるようになっていて、ここからは、城壁の外に流れるグアディアナ川とローマ橋(Puente Romano)を一望することができます。

アルカサバの入場料は遺跡のコンビネーションチケット(€17)に含まれていますが、単独のチケットだと€6。町の中心部にも近く、アクセスしやすい遺跡です。
メリダの町の中心 スペイン広場
最初にも書きましたが、メリダは、街並みが特段に美しいという訳ではありません。
そんなメリダの町の中で、最も趣があるのが、アルカサバからスペイン広場(Plaza de Espana)にかけてのエリアです。

スペイン広場の周辺の商店街を歩いていると、突然目の前にローマ神殿が現れたり。。。

街角にこんな遺跡があったり。。。

メリダの町には古代ローマの遺跡があちこちに点在しています。
メリダで食べた美味しいもの
メリダがあるエストレマドゥーラ州は、イベリコ豚の産地として有名です。
ということで、メリダでは、イベリコ豚ざんまい。


私が訪れたのは、Braseria Las Delicias del Ibérico というイベリコ豚専門のレストラン。地元の人が利用する食堂っぽい雰囲気のレストランで、お値段もお手頃。とても美味しかったです。
このレストランのすぐ近くには、イベリコハムを売るお店もありました。

エストレマドゥーラ州では、是非イベリコ豚を味わってみてくださいね!
メリダへのアクセス
- スペインの首都マドリードから鉄道で約4時間
- スペインのセビーリャから高速バスで約3時間、もしくは鉄道で約3時間半
- スペインのカセレスから高速バスで約1時間、もしくは鉄道で約40分
- ポルトガルの首都リスボンから高速バスで約4時間
- ポルトガルのエヴォラから高速バスで約2時間
メリダのタクシー
- タクシーはメーター制で料金も手ごろ。ぼられることもなく、安心して利用できます。
- 駅やバスターミナルにタクシースタンドはありますが、タクシーが待機していないこともあるようです。私がメリダのバスターミナルに到着した時は、運良くタクシーが待機していましたが、タクシーがいない時は、電話で呼び出す必要がありそうです。(メリダにUBERのサービスはありません。)
- 私は、メリダを発つ日にバスターミナルまでタクシーを利用したかったので、前日に、Tele Taxi Merida というメリダのタクシー会社にメールで予約を入れました。メール後すぐに確認のメールが届き、当日も指定した時間通りにちゃんとタクシーが迎えに来てくれました。スペイン語ができなくてもメールなら翻訳機能を使って確実にコミュニケーション取れるので、電話より安心ですよね。おすすめです。
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