タスマニア西部 クイーンズタウン

タスマニア州

2021年1月 タスマニア旅行

タスマニア西部のクイーンズタウン (Queenstown) は、19世紀に金鉱が見つかったことにより町が築かれ、金が枯渇した後は、銅の産地として、鉱業で栄えてきた町です。

歴史ある町ではありますが、タスマニア西部を訪れるほとんどの観光客は、クイーンズタウンの西にあるストローン (Strahan) へ向かうため、この町を素通りする人が多いと思います。

私も、15年前にストローンを訪れた時は、クイーンズタウンに立ち寄ることもなく、車で通りすぎただけだったのですが、この町の周辺の異様な景色がずっと目に焼き付いていたので、今回は、この町に1泊してみることにしたのです。

タスマニア西部は、降雨量がとても多いエリアで、その大半が原生林に覆われています。それなのに、クイーンズタウンの町は、岩肌がむき出しになった山々に囲まれているんです。

こういう景色って、乾燥したオーストラリア大陸の内陸部ではよく見られる景色なんですが、深い原生林で覆われたタスマニア西部をドライブしていて、突然こんな景色が現れると、ぎょっとします。

これは、20世紀初めに、銅を製錬するための燃料として、大量の木が伐採されたことと、製錬の過程で発生する硫黄を含んだガスによって、周辺の植生が破壊されてしまったことによるんだそうです。いわゆる、鉱害ってやつですね。

ただ、今回再びクイーンズタウンを訪れてみて、15年前よりも、緑がかなり戻ってきているように感じました。

クイーンズタウンの町の中心には、趣ある歴史ある建物も残っていますが、それほど多くの見どころがある町ではありません。

観光的なアトラクションとしては、West Coast Wilderness Railway という蒸気機関車が、クイーンズタウン⇔ストローン間を走っています。この鉄道は、ここで産出された銅を運び出すために、19世紀に築かれたもの。

そして、West Coast Wilderness Railwayの鉄道駅の向かいには、Empire Hotel という1901年に建てられた趣あるホテル(パブ)が建っています。

クイーンズタウン周辺のみどころとしては、町から5キロほどの場所に、アイアン・ブロー・ルックアウト (Iron Blow Lookout) という、かつての鉱山を見渡す展望スポットがあります。

そして、この展望スポットから道を挟んだ反対側からは、岩肌がむき出しになった山の斜面にボードウォークが設置されていて、ホーステール滝 (Horsetail Falls) という滝の近くまで歩けるようになっています。

この日は雨が降っていて、しかも、霞がかかっていて、残念なコンディションでしたが、高い山の斜面に設置されたボードウォークを歩くのはスリルがあって楽しかったし、滝もとても美しかったです。

このホーステール滝は、セントクレア湖方面からストローンへ向かう道沿いにありますので(クイーンズタウンの町の5キロほど手前)、クイーンズタウンに立ち寄らずにストローンへ向かう人も、是非ここで車を停めて、ボードウォークを歩いてみることをおすすめします。

今回、私たちは、クイーンズタウンに1泊してみましたが、町としての見どころは少ないので、やはり、この町には宿泊せずに、ストローンへ向かうのが正解だなと思います。次回のブログではストローンをご紹介します。

コメント

  1. 藤原 より:

    岩肌がむき出した山々に囲まれたクイーンズタウンの町は、ニューカレドニアのニッケル鉱石の採掘場跡に似ているように思いますが、山岳にある露天掘りの鉱物資源に恵まれた地の景観はいずこも良く似ていますね。 ところで、ボードウォークの先にホーステール滝とは面白いですね。写真を見てフッと頭に浮かんだのは、Snake track (蛇の小道)(Board walk)の先にHorse tail (馬の尻尾)で、まるで蛇が水を求めて滝壺に向かっているような。
    この滝、確かに馬の尻尾の様な形状をしていますが珍しいのでは? ナイアガラの滝のようにドバッと全体に流れ落ちる滝でなく、ちょろちょろと流れ落ちるあちこちで良く見られる滝とも異なって、馬の尻尾のように、滝壺に向かってだんだん太くなっているんですね。
     

  2. sowhat より:

    藤原さん、お返事が遅くなってしまってすみません。 いただいたコメントがスパムフォルダーに入ってしまっていたのに今まで気づきませんでした。。。
    本当に、躍動感があって、馬の尻尾のように見えますよね。この日はお天気が悪くて、霞がかかってしまっているのですが、お天気の良い日は、周辺の山々もはっきり見えて、もっとダイナミックな景色が楽しめるんだろうなあと思います。

テキストのコピーはできません。

SOWHATの世界旅日記をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました