巡礼の地 サンティアゴ・デ・コンポステーラ

スペイン

2019年5月~6月 ヨーロッパ旅行

マドリードに1泊したあとは、スペイン北部ガリシア地方のサンティアゴ・デ・コンポステーラ (Santiago de Compostela) へ。

マドリードからサンティアゴ・デ・コンポステーラへは、近い将来、高速鉄道が開通する予定があるらしいのですが、今現在(2019年7月)は、鉄道を使うと移動に5時間以上もかかってしまいます。空路だと1時間強で移動できるので、私たちは、飛行機を使って移動しました。

スペイン北西部ガリシア地方のサンティアゴ・デ・コンポステーラは、キリスト教の巡礼地として知られる町。歴史的建造物や古い街並みに目がない私は、昔からずっとこの町を訪れてみたいと思っていたんです。

紀元44年に殉教した聖ヤコブの遺骸が、9世紀初頭にこの地で発見されたことから、キリスト教の巡礼の地となったサンティアゴ・デ・コンポステーラ。

(注)聖ヤコブはイエスキリストの12使途の1人。スペイン語では聖ヤコブのことをサンティアゴという。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂には、今でも数多くの人々が巡礼に訪れます。

→ サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂のウェブサイトはこちら

大聖堂は、ここ数年間、大規模な修復工事が行われており、外壁に足場が組まれていたようですが、私が訪れた時(2019年5月)には、外壁の足場はほぼ全て取り除かれていて、大聖堂の美しい姿を見ることができました。

オブラドイロ広場 (Plaza del Obradoiro) に面した大聖堂の正面

ただし、オブラドイロ広場に面した大聖堂の正面入口は、2019年7月現在、修復工事の関係でクローズされており、大聖堂の内部へはプラテリアス広場 (Plaza de Platerías) に面した南側の扉から入ります。

プラテリアス広場 (Plaza de Platerías) に面した大聖堂の南側

大聖堂内部は、2019年7月現在も修復工事が続いており、私が訪れた5月も、工事の足場が組まれていたり、シートで覆われている部分もありました。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂では、一年に12回ほど、ボタフメイロ(botafumeiro)という儀式が行われます。大聖堂の天井から巨大な香炉を吊り下げ、それを振り子のように振るというこの儀式、下に貼ったビデオを見るとわかるように、巨大な香炉が聖堂内の宙を舞う様子は圧巻です。

実は、私、サンティアゴ・デ・コンポステーラを訪れる計画を立てた後に、このボタフメイロの存在を知ったのですが、調べてみると、なんと、私たちが滞在する日は、ボタフメイロの儀式が行われる日なんです!

わー、なんてラッキーなんでしょう!!!と、一瞬舞い上がったのですが、更によく調べて見ると、残念ながら、今年は、修復工事の関係で、このボタフメイロの儀式は行われていないのだとか。。。ああ、残念。

ちなみに、ボタフメイロの儀式がいつから再開になるのかは、今のところまだ発表されていないようです。

→ ボタフメイロやミサのスケジュールはこちらから調べられます

大聖堂の東側には、聖年にのみ開くという聖なる門 (Puerta Santa)という入り口があります。

聖なる門の上部に施された聖ヤコブ(サンティアゴ)の彫刻
聖なる門を大聖堂内部から見たところ

聖年というのは、聖ヤコブの日(7月25日)が日曜日となる年のこと。前回の聖年は2010年で、次回は、2021年です。聖年には、例年にも増して多くの巡礼者がやってくるのだとか。きっと、次回の聖年の2021年を目指して、大聖堂の修復作業が進められているんでしょうね。

大聖堂には、博物館も併設されています。(大聖堂への入場は無料ですが、博物館の見学は有料。)

博物館内には、ロマネスク様式の彫刻やボタフォメイロの儀式に使われる香炉などが展示されていました。展示物の写真撮影は禁止されているようだったので、残念ながら写真はないのですが、なかなか見ごたえがある博物館でした。

博物館の中からは、大聖堂の回廊やチャペルにアクセスできたり、窓からオブラドイロ広場を見下ろすこともできますよ。

大聖堂の回廊
大聖堂内の博物館からの眺め

さて、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂での、必見スポットとされているのが、栄光の門(Pórtico de la Gloria)です。

彫刻家マテオにより12世紀に作られたこの美しい門は、ロマネスク様式の傑作と言われています。栄光の門も、ここ数年間修復作業が行われていたのですが、昨年修復作業が終わり、今現在は、見学ができるようになっています。

この栄光の門の見学方法を調べるのに、とても役に立ったのが、サンティアゴ・デ・コンポステーラ在住の日本人の方が運営されているオトラスペインというウェブサイトです。

→ オトラスペイン

こちらのサイトによると、栄光の門を見学する方法は、ツアーに参加するか、もしくは無料の見学チケットを入手するかの2択。

無料チケットは、月曜~土曜の毎日19時に限定数配布され、そのチケットで、翌日(土曜配布分は月曜日)の19時に見学ができる、というもの。限定数しか配布されないので、有料ツアーに参加した方が無難かな?とも思ったのですが、調べてみると、有料ツアーの方はすでに予約でいっぱいになっててね。。。

ということで、栄光の門を見学するためには、何がなんでも無料チケットをゲットしなければ!! と、配布開始時間の少し前に配布場所を訪れたのですが、誰も並んでいなくて、肩透かしを食らいました。

プラテリアス広場からビラール通りを少し入って左側にあるこの建物(Rua do Vilar 3) で無料チケットが配布される。時間になると、この緑のドアが開き、無料チケットを配布する係員が現れる。

どうやら、無料チケットが配布されていることは、まだあまり知られていないようです。

ということで、いとも簡単に無料チケットをゲット。見学当日(チケット配布日の翌日)は、18時30分に大聖堂の博物館の入口に集合して、全員まとまって栄光の門の見学をします。団体見学とはいえ、15人ほどしかいなかったので、とてもゆったりと見ることができました。ちなみに、この無料見学では、栄光の門について説明したパンフレットはもらえますが、口頭によるガイドはありません。写真撮影はできません。

修復作業が終わった栄光の門は、彫刻に施された色が美しく復活していて、ネットの写真などで見る修復前の写真よりも、ロマネスク彫刻のユーモラスさがより引き立って見えました。

写真がないのが残念なのですが、キリストを中心に200体ものカラフルな彫刻がびっしりと施された門は、なんだか、まるで、ヒンズー教寺院のような可愛らしさがあるんです!!

こちらは、1849年にスペインの画家Jenaro Pérez Villaamilによって描かれた栄光の門の絵画

El Pórtico de la Gloria de la Catedral de Santiago de Compostela by By Jenaro Pérez Villaamil – Palacio de la Moncloa, Madrid, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=18218661

修復作業が終わった栄光の門は、正に、こんな感じでした。

大聖堂内部の修復作業が完了した暁には、この栄光の門は、大聖堂へ入場する際に誰でも見れるようになるのか、それともツアーなどに参加しなければ見れないようになるのか、そのあたりは私にはわかりません。

今後も、大聖堂内部の修復作業の進捗状況に応じて、栄光の門の見学方法が変わる可能性もあるような気がしますので、今後サンティアゴ・デ・コンポステーラを訪れる方は、オトラスペインのウェブサイト(→こちら)をチェックされることをおすすめします。

次回のブログでは、サンティアゴ・デ・コンポステーラの素敵な街並みをご紹介します。

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