セビーリャでは、宿泊したホテルがサンタクルス地区のすぐ近くだったので、滞在中は何度もサンタクルス地区を散策しました。
セビーリャのサンタクルス地区(Barrio de Santa Cruz) は、昔ユダヤ人が住んでいた地区。
アルカサルの東側に隣接したエリアで、迷路のような細い道が入り組んでいて、白壁の建物が並んでいます。
wikipedia によると、サンタクルス地区がユダヤ人街となったのはセビーリャのイスラム支配が終わった1248年の後。
当時のセビーリャは、スペインにおいて、トレドに次ぎユダヤ人が多く住んでいた町で、ユダヤ人たちは、金融業や商業などで裕福な暮らしをしていたようです。
スペインでは、ユダヤ人に対する反感が高まり、1492年にはユダヤ人追放令が発令されます。スペインに住んでいたユダヤ教徒は、キリスト教への改宗もしくは国外退去という二者択一を命じられ、文字通り、スペインからユダヤ人が追放されました。
ただ、セビーリャでは、このユダヤ人追放令が出される100年前の1391年に、反ユダヤの暴動が起こり、4000人ものユダヤ教徒が虐殺されています。サンタクルス地区にあったシナゴーグも、この事件後にカソリック教会に変えられ、命を取りとめたユダヤ教徒の多くも、生き残りのために止むなくキリスト教に改宗したんだそうです。
ユダヤ人は、歴史上、数々の迫害を受けていますが、スペインでもこんなことがあったんですね。
セビーリャのサンタクルス地区は、古い街並が残る趣のあるエリアなので、もちろん観光客も多いのですが、コルドバの旧ユダヤ人街のようないかにも観光客向けのお土産物屋さんがずらっと並んでいる訳ではありません。
地元の常連客がたむろしているようなお店もいくつもあって、散策するのがとても楽しいエリアでした。
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