アラゴン州の美しい町 サラゴサ

スペイン

2024年5月~6月 スペイン北部+イタリア南部+フィンランド

バルセロナから高速鉄道に乗って約1時間半、アラゴン州の州都サラゴサ(Zaragoza)にやってきました。マドリードとバルセロナのほぼ中間に位置するサラゴサは、スペインでは5番目に人口の多い町なのですが、観光的にはあまり知られていない町かもしれません。

スペインが大好きで何度も訪れている私も、サラゴサを訪れるのは今回が初めてです。

以前から町の写真を見て、良さそうなところだなあとは思っていたのですが、実際に訪れてみると、壮麗な建造物が並ぶ歴史地区に加え、新市街の街並みも上品で美しく、かつ活気もあって、とても居心地の良い町でした。

サラゴサの旧市街

サラゴサの旧市街(歴史地区)には数多くの歴史的建造物が並んでいますが、その中でも際立って美しいのが、エブロ川(El Ebro)の南岸に建つ聖母ピラール教会堂(Basilica de Nuestra Senora del Pilar)です。

壮大な聖母ピラール教会堂の角には4本の塔が聳え立っており、そのうちの1つにはエレベーターが設置されていて、塔のてっぺんまで登ることができるようになっています。

聖母ピラール教会堂の塔の上からの眺め

聖母ピラール教会堂が建つピラール広場(Plaza de Nuestra Senora del Pilar)には、サラゴサ市庁舎、旧卸売市場ロンハ(Lonja)、大司教宮殿といった建造物がずらりと並び、圧巻。

そして、ピラール広場の東側には、ラ・セオ(La Seo)と呼ばれる大聖堂(Catedral del Salvador)が建っています。

大聖堂は、正面から見るとクラッシックなバロック様式ですが、北側の側面は見事なムデハル様式になっているのが面白い!

ムデハル様式というのは、イスラム文化を取り入れたエキゾチックな建築様式。キリスト教の教会にもイスラム文化の影響がみられるのは、長年イスラム勢力に支配されていたスペインならではです。

サラゴサの旧市街には、この他にも美しい歴史的建造物がいっぱい。

Iglesia de San Juan de los Panetes
Iglesia de San Nicolas de Bari
Iglesia de Santa Isable de Portugal

中央市場の建物もこんなにエレガントです。

旧市街にはサラゴサ出身の画家ゴヤの美術館もあります。

ゴヤの代表作の多くはマドリードのプラド美術館に所蔵されていますが、サラゴサのゴヤ美術館では、ゴヤの銅版画(エッチング)作品が数多く展示されています。

旧市街のトゥーボ地区(El Tubo)には、タパスバーがたくさん並んでいることで有名です。

上の写真は昼間に撮ったものですが、夜になると、細い路地が人でいっぱいになります。

サラゴサのセントロ地区

サラゴサの旧市街は城壁で囲まれたりはしていないので、旧市街と新市街の境目がはっきりと分かれているわけではありません。旧市街の南側に隣接するセントロ(Centro)と呼ばれる新市街にも美しい教会や歴史的な建物が点在していて、とても落ち着いた美しい街並みが続いています。

セントロの Plaza Espana
セントロの美しい街並み

今回、私たちはNH Collection Gran Hotel de Zaragoza というセントロにあるホテルに3泊しました。旧市街のピラール広場までは1キロほど離れているのですが、ホテル周辺のエリアにはお洒落なブティックや、質の良いレストランやタパスバーもたくさんあって、とても素敵なエリアでした。

セントロの Plaza de los Sitios。この広場の周辺には美味しいレストランやタパスバーがたくさん並んでいる。

ちなみに、NH Hotel は、ヨーロッパ(特にスペイン)に数多くのホテルを持つホテルグループです。質の割に値段がお手頃なホテルが多く、私はスペインではNH Hotelによく泊まります。

サラゴサには3つのNH Hotel があって、私はNH Collection Gran Hotel de Zaragoza を選びましたが、ピラール広場のすぐそばにあるNH Ciudad de Zaragoza も観光に便利で良さそうです。

→ NH Collection Gran Hotel de Zaragoza

→ NH Ciudad de Zaragoza

アルハフェリア宮殿

アルハフェリア宮殿(Palacio de la Aljaferia)は、サラゴサがイスラム勢力に支配されていた頃(11世紀)に建てられた宮殿で、ユネスコの世界遺産になっています。

頑丈な城壁の中に入ると、そこにはイスラム様式の美しい宮殿が。。。

グラナダのアルハンブラ宮殿の規模には足元にもおよびませんが、アルハンブラ宮殿のようにチケットを前もって予約しておかなくても簡単に入場できるし、こぢんまりとしているのでさくっと短時間で見学できるのもいいですね。

私はイスラム様式の建造物が大好きなので、とーっても楽しかったです。

アルハフェリア宮殿は、町の中心からは少し離れた場所にあります。旧市街からは2キロほどなので歩くことも可能ですが、市バスを使って簡単にアクセスすることもできます。

サラゴサのおすすめレストラン

サラゴサで私が最も気に入ったレストランは、Asador de Arandaというお店です。

アサドール(Asador)というのは薪を使った窯で焼く炭火焼のこと。

こちらのお店は、ラム肉が有名らしいのですが、私はスペインのサックリング・ピッグ(子豚の丸焼き)が大好物なので、サックリング・ピッグのポーションを注文。

スペインの子豚の丸焼きは、皮が薄くてパリパリで、お肉がジューシーで柔らかくて、とーっても美味しいんですよ!

こちらのお店は、前菜で頼んだコロッケも美味しかったし、サイドで頼んだトマトとレタスと玉ねぎのシンプルなサラダも野菜が新鮮でとーっても美味しかったです。

そして、食後にはサービスで、モスカートワインみたいなリキュールと、自家製ビスケットを出してくれます。

自家製ビスケットは、アニスシードかフェンネルシードが入ってるみたいで、エキゾチックな甘い香りがして、美味しかった~。

今、このブログを書くためにお店のウェブサイトを見て気づいたんですが、Asador de Arandaは、サラゴサ以外にも、マドリードやバルセロナ、ヴァレンシア、オヴィエド、セビーリャにもお店があるんですね。おすすめですよ~。

→ Asador de Aranda

サラゴサへのアクセスと交通情報

サラゴサへは、高速鉄道で、バルセロナから約1時間半、マドリードから約1時間15分。バルセロナ⇔サラゴサ⇔マドリード間は、RENFE(スペイン国鉄)、IRYO(イタリア国鉄とエアノストラム航空の合弁会社)、OUIGO(フランス国鉄)の3社が高速鉄道を運行していますので、3社の時刻表や運賃を比較して選ぶと良いでしょう。ちなみに、ヨーロッパの鉄道チケットは、早く予約したほうが安いので、旅行の予定が決まったら早めにオンラインで購入することをおすすめします。

サラゴサの鉄道駅(Zaragoza-Delicias)から町の中心部までは3キロほど離れています。荷物があるならタクシーが便利ですが、市バスも走っています。スペインのタクシーは、比較的運賃も安いし、運転手さんも感じが良いので、安心して利用できます。

サラゴサの市バスの運賃は1回の乗車運賃が1.6ユーロ。切符は乗る時にバスの運転手さんから買うことができます。

サラゴサ市内にはバスの他、トラムも走っていますが、トラムはサラゴサの町を南北に縦断する1路線だけなので、観光に使う機会はあまりないように思います。

サラゴサの観光情報など

  • 聖母ピラール教会堂の内部見学は無料。内部の写真撮影は禁止。
  • 聖母ピラール教会堂の塔に登るのは有料(エレベーターの定員が限られているので、予約が必要です)。
  • 聖母ピラール教会堂の全景の写真は、エブロ川に架かるピエドラ橋(Puente de Piedra)から撮るのがおすすめです。
  • 大聖堂への入場は有料。内部の写真撮影は禁止。
  • 聖母ピラール教会堂の塔へ登るチケットと大聖堂の入場がセットになったお得なコンビネーションチケットあり。大聖堂でコンビネーションチケットを買うと、大聖堂に入場する際に、聖母ピラール教会堂の塔へ登る時間を予約してもらうことができます。
  • 旧市街のトゥーボ地区(タパスバー街)は賑やかで楽しい雰囲気ですが、正直、トゥーボ地区にあるお店の食事の質はいまいちです。トゥーボ地区では、お酒を飲むだけにして、食事はトゥーボ地区以外のお店で食べることをおすすめします。
  • アルハフェリア宮殿のチケットをオンラインで買うことができるのは、ガイドツアーや団体のみ。ガイドなしで個人で見学する場合は、当日現地でチケットを買います。時期や曜日にもよると思いますが、私が訪れた時(5月の平日の朝)は、チケット売場はさほど列にはなっていませんでした。朝一番(10時)に訪れると人が少ないので、綺麗な写真が撮れます。

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