アフロ・ブラジル文化が息づくサルヴァドール

ブラジル

2019年11月 南米旅行(ブラジル&チリ)②

今回のブラジル旅行で、私が最も楽しみにしていたのが、バイーア州のサルヴァドール (Salvador) という町です。

サルヴァドールは、1549年から200年以上の間、ブラジルの首都だった町。ブラジルがポルトガルの植民地だった時代です。

ブラジル北東部の海に面したサルヴァドールの町は、ブラジルで産出された砂糖や金の積出港として大変栄えたと同時に、労働力としてアフリカから連れてこられた人たちを売買する奴隷貿易の中心地でもありました。そのため、この町には、今でもアフリカ系の住民が多く、音楽・料理・風習などにおいて、「アフロ・ブラジル文化」と呼ばれるアフリカに由来する独特の文化が息づいているのです。

太鼓を演奏するグループ「オロドゥン」
「アカラジェ」というストリートフードを売る屋台

ポルトガル植民地時代の街並みが残るサルヴァドールの旧市街は、ペロウリーニョ (Pelourinho) と呼ばれ、ユネスコの世界遺産に登録されています。

旧市街ペロウリーニョは、シダーデ・バイシャ(下の町)とシダーデ・アルタ(上の町)という2つのエリアに分かれいて、崖の上に広がるシダーデ・アルタ(上の町)には、特に美しい街並みが広がっています。

ジェズス広場 (Terreiro de Jesus)は、サンペドロ・ドス・クレリゴス教会、サン・ドミンゴス・グスマン教会、サルヴァドール大聖堂、という3つの教会に囲まれた美しい広場。

ジェズス広場 (Terreiro de Jesus)
サンペドロ・ドス・クレリゴス教会 (Igreja de Sao Pedro dos Clerigos)
サルヴァドール大聖堂 (Catedral Basilica de Salvador) 

サルヴァドール大聖堂は、外観は地味なのですが、内部がとても美しいので、是非中に入って見学を。。。

そして、ジェズス広場から南東方向には、大きな十字架が立つクルゼイロ・デ・サンフランシスコ広場 (Largo do Cruzeiro de Sao Francisco) という細長い広場が続き、広場の突き当りには、サンフランシスコ教会と修道院 (Igreja e Convento de Sao Francisco)が建っています。

とても古めかしい外観のサンフランシスコ教会は、中に入ると、壁から天井まで、金箔で覆われていて、びっくり!

修道院の回廊の壁には、アズレージョ(絵が描かれた青いタイル)で装飾が施されており、ポルトガル植民地だった頃の歴史が感じられます。

そして、サンフランシスコ教会の左隣に建つオルデン・テルセイラ・デ・サンフランシスコ教会 (Igreja da Ordem Terceira Secular de Sao Francisco) は、バロック様式のファサードが見事です。

この周辺には、素敵なアクセサリーを売るお店や、お洒落な飲食店が並んでいて、とってもいい感じ。

ここから、北方向に向かって、石畳の坂道を下りていくと、水色の教会が建つペロウリーニョ広場 (Largo do Pelourinho) が現れます。

急な坂道の途中にあるこの広場は、植民地時代には、奴隷市場があった場所。

広場に建つロザリオ・ドス・プレートス教会 (Igreja Nossa Senhora do Rosario dos Pretos) は、黒人奴隷たちが建てた黒人のための教会です。

ちなみに、ペロウリーニョ広場は、マイケルジャクソンの “They Don’t Care About Us” のプロモーションビデオが撮影された場所としても有名です。

ペロウリーニョ広場からは、Rua Alfredo de Brito という通りを南西方向に250mほど歩くと、ジェズス広場に戻ります。

この、ジェズス広場・サンフランシスコ教会・ペロウリーニョ広場という3つのランドマークに囲まれたエリアは、街並みも美しく保存されていて、土産物屋や飲食店も多く、サルヴァドール旧市街観光の中心となるエリアです。

治安が悪いと言われているサルヴァドールですが、このエリアであれは、身の危険を感じることなく、散策を思う存分に楽しむことができます。

上で紹介したエリアは、ジェズス広場の北~東にかけての一帯ですが、ジェズス広場の南側にもいくつかの見どころがあります。

大聖堂の南側に隣接するセー広場 (Placa da Se)

セー広場の展望スポットにある十字架のオブジェとバイーア娘の像

セー広場の南側にあるミセルコルディア博物館(Misericórdia Museum)は、館内の展示や、併設された教会も美しく、非常に見ごたえがある博物館でした。

かつては病院として使われていたミセルコルディア博物館
ミセルコルディア博物館内部
ミセルコルディア博物館内の教会

セー広場から100mほど南へ歩くと、リオ・ブランコ宮殿 (Palacio Rio Branco) が建つトメ・ジ・ソウザ広場 (Praca Tome de Souza) が現れます。

リオ・ブランコ宮殿は残念ながら閉鎖中で、内部見学はできませんでした

トメ・ジ・ソウザ広場には、シダーデ・アルタ(上の町)とシダーデ・バイシャ(下の町)を繋ぐラセルダ・エレベーター (Elevador Lacerda) の乗り場があります。

崖下に広がるシダーデ・バイシャ(下の町)は、治安が非常に悪いことで有名な地区なのですが、メルカド・モデーロ (Mercado Modelo) という民芸品市場があるので、エレベーターに乗って、下の町へ降ります!!

下の町シダーデ・バイシャにあるメルカド・モデーロ

エレベーターには、ちょっと怪しげな人も乗っていましたが(見かけで判断してごめん)、エレベーターの中には、がたいのいい警備員も乗っているので、まあ安心。下町でエレベーターを降りた後は、速攻で道を渡って、市場へ。

で、肝心の市場のほうは。。。

なんか、閉まってる店も多くて、活気もなくて、イマイチでした。午前中の早めの時間に訪れたので、時間が早すぎたのかもしれません。

治安の悪い下の町では、市場だけ見て、またエレベーターに乗って、上の町へ戻りました。

さて、サルヴァドールの旧市街では、夜の散策も楽しかったです。

上でも述べたように、サルヴァドールは、治安が悪い町として知られているのですが、旧市街の中でも観光客の多いエリア(ジェズス広場・サンフランシスコ教会・ペロウリーニョ広場という3つのランドマークに囲まれたエリア)であれば、夜の散策も問題ありません。

こちらは、ジェズス広場の近くにあるO Cravinho というバー。

壁には、カシャッサ(サトウキビから作られた蒸留酒)の樽が並んでいます。

夜の散策中には、迫力あるオロドゥン (Olodum) の演奏にも遭遇することができて、めっちゃ感激~!!

サルヴァドールでは、Casa do Amarelindo という小さなブティックホテルに泊まりました。

19世紀のコロニアル様式の建物を改装した小さなブティックホテル

お部屋も素敵だし、プールもあるし。。。

ルーフトップにはバーもあって、海を見ながら、カイピリーニャでハッピーアワー!

カシャッサ酒のカクテル「カイピリーニャ」

ホテル内には、素敵なレストランもあります。

バイーア州の名物料理「ムケッカ」

このホテルは、ジェズス広場とペロウリーニョ広場を結ぶ通りに面しているので、観光にもめっちゃ便利。この場所なら、夜の散策にも出かけることができるので、超おすすめです!

→ Casa do Amarelindo

サルヴァドールは、街並みも美しく、独特の雰囲気と文化に溢れるエキサイティングな町で、とーっても楽しかったです。

サルヴァドールは治安が良くないと聞いていたし(まあ、ブラジルでは、治安が悪いのはサルヴァドールに限ったことではありませんが。。。)、リオデジャネイロから遠く離れていることもあり(リオでジャネイロから飛行機で2時間)、訪れるべきかどうか、かなり迷ったのですが、訪れて本当に良かった!!

ご存知の通り、このブログを書いている今現在(2020年7月)、ブラジルは、コロナウイルスの感染が爆発して大変なことになっています。もともと、貧困層が非常に多い国だけに、コロナウイルス終息後も経済的な回復に時間がかかり、治安も更に悪化するかもしれません。観光客が安心してブラジルを訪れることができる日が来るのは、何年も先のことになるのではないかと思われますが、晴れてその日がやって来た時には、このサルヴァドールの町が、また観光地として復活することを願ってやみません。

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