2019年9月 ウズベキスタン旅行記③
ウズベキスタンの首都タシケントに2泊した翌日は、ウズベキスタン西部のヒヴァへ移動。早朝のフライトだったので、午前中にはヒヴァに到着し、早速、旧市街へと観光に繰り出しました。
ヒヴァ(Khiva)の町は、キジルクム砂漠とカラクム砂漠に挟まれた「ホラズム地方」と呼ばれるエリアに位置しています。
砂漠地帯を流れるアムダリヤ川が作り出したデルタ地帯が広がるホラズム地方には、古くから幾つものオアシス都市や王国が栄えてきました。
ヒヴァは、16世紀前半から約400年続いたヒヴァ・ハン国の首都として栄えた町。城壁に囲まれた旧市街が今でも見事な形で残っていて、ユネスコの世界遺産となっています。
イチャン・カラ (Itchan Kala) と呼ばれるヒヴァの旧市街は、分厚い城壁で周囲をぐるりと囲まれています。
城壁には4つの門がありますが、観光客が旧市街へと入るメインの入口となっているのは、西側にあるオタ・ダルヴォザ (Ota Darvoza) という門です。旧市街へ入るにはチケットが必要なので、チケットを購入してから、旧市街に入場します。アクセスできる施設などの違いにより、3種類のチケットがあるのですが、私たちはSTANDARDというチケットを購入しました。(チケットの詳細については、このブログの最後にまとめましたので、そちらを参照してください。)
旧市街(イチャン・カラ)の中に入ると、そこは、まるで、タイムスリップをしたかのような世界。
イチャン・カラ(ヒヴァ旧市街)の広さは、400m x 650mとそれほど広くはありません。西門から東門へ抜ける通りが最も賑やかで、その周辺に、モスクや宮殿、メドレセ(神学校)といった美しい建造物が、密集しています。
ムハンマド・アミン・ハーン・メドレセとカルタ・ミノル (Muhammad Amin Khan Madrasa / Kalta-Minor)
ムハンマド・アミン・ハーン・メドレセは、19世紀中頃に建てられた壮大な神学校。現在は Orient Star というホテルになっています。カルタ・ミノルは、当時の王ムハンマド・アミン・ハーンが亡くなってしまったため、建設途中で中断された未完成のミナレット(塔)。完成していたら、高さ80メートルほどの巨大なミナレットになったと言われています。
クフナ・アルク (Kunya Ark)
17世紀に築かれた宮殿。頑丈な壁で囲まれた宮殿内にはモスクやハーレム、兵器庫や造幣所だった部屋などもあります。屋上の見張り台は、夕陽を鑑賞するスポットとして人気です。
ジュマ・モスク (Juma Mosque)
215本の木の柱が並ぶ古いモスク。現在の建物は18世紀に建てられたものですが、10世紀~11世紀頃の柱も残っているそうです。
イスラム・フッジャ・メドレセとミナレット (Islam Khodja Madrasa / Islam Khodja Minaret)
1910年に建てられた比較的新しいメドレセとミナレット。メドレセの内部は、Museum of Applied Art of Khorezm というホラズム地方の美術工芸品を展示する博物館になっています。旧市街の中にある多くのメドレセは、博物館となっていて、様々な展示がされているのですが、私はこの博物館が最も気に入りました。
タシュ・ハウリ (Tosh Hovli)
19世紀前半にアラクリ・ハーン王によって建てられた宮殿。内部の装飾が素晴らしいです。
パフラヴァン・マフムド廟 (Pakhlavan Mahmud Mausoleum)
ヒヴァの庇護者として尊敬されていたパフラヴァン・マフムドの霊廟。内部は厳かな雰囲気に包まれています。この霊廟は旧市街の入場チケットには含まれておらず、別料金なのですが、霊廟内部は息を呑むほど美しく、必見です!
これらの歴史的建造物を鑑賞するのも、もちろん楽しいのですが、お土産物屋さんを覗いたり、ひっそりとした趣ある路地を見つけたりしながら、ぶらぶらと町を散策するのが、本当に楽しくて。。。
また、旧市街の中心部から離れた北門の周辺まで歩いて行くと、観光客もほとんどいない、古い住宅街が広がっていて、子供たちが遊んでいたり、道端で羊を捌いていたりと、旧市街の中で暮らす地元の人たちの様子を垣間見ることができました。
北門からは、旧市街を取り囲む城壁の上に登ることができるようになっていたので登ってみました。
城壁の上を、西門の方向へ向かって、歩いてみたのですが、残念ながら、クフナ・アルクの手前で行き止まり。城壁の上をぐるりと一周はできないようです。
ヒヴァの旧市街には、質の良いチャイハナやレストランもたくさんありました。(チャイハナというのは、食事もできるカフェのような飲食店です。)
中でも気に入ったのが、Terrassa という、クフナ・アルクの近くにあるレストラン。
このレストランの屋上にあるテラス席がめっちゃ気に入ってね、ヒヴァ滞在2日間ともディナーはこちらでいただきました。
黄昏時のヒヴァの町を眺めながらの食事。
こんな美しい景色を見ながら食事ができるんです。
食事も美味しかったし、店員さんもとてもフレンドリー。おすすめのレストランです。(テラス席は大人気なので、早めの時間に訪れるべし!)
ヒヴァの旧市街はとてもコンパクトなので数時間もあれば見て回れる、と聞いていたので、2泊もしたら飽きるかな?とちょっと心配していたのですが、ほぼ丸2日間歩き回っても、まったく飽きることはありませんでした。
確かに、見どころは、旧市街の中心部に纏まっているので、短時間でも観光は可能ですが、ヒヴァの旧市街は、街並みが本当に美しく、ただぶらぶらと細い路地を歩いているだけでもとても楽しいのです。
日が暮れると、ミナレットなどがライトアップされるので、夜の散策もマストです!
ヒヴァで泊まったホテル
ヒヴァでは、旧市街の外にあるQosha Darvoza という小さなホテルに宿泊しました。
→ Qosha Darvoza(booking.com で予約できます)
非常にベーシックな宿ですが、客室はとても広く、まあ普通に快適。だだ、旧市街から少し離れているというのが玉に瑕。旧市街の北門まで約500m、西門まで1キロ弱なので、簡単に歩いていける距離ではあるのですが、ホテルの周りにはなーんもありません。私は夫と一緒だったので気になりませんでしたが、女性一人の場合は、人通りの少ない夜道を歩くのは、治安が良いとはいえ、やはりちょっと気になるかもしれません。
私たちも、本当は、旧市街の中か、西門の近くのホテルに泊まりたかったのですが、訪れる3か月前にホテルを手配しようとしたところ、目ぼしいホテルは軒並み満室になっていたんです。。。 ヒヴァには、ゲストハウスみたいなところはいっぱいあるのですが、そこそこのレベルを満たしたホテルがとても少ないようなので、ハイシーズンに訪れる場合は、早めにホテルの予約を入れたほうがよさそうです。
ヒヴァ旧市街(イチャンカラ)の入場チケット
ヒヴァ旧市街に入場するにはチケットが必要です。入場チケットには、VIP / STANDARD / ECONOMY という3種類のチケットがあって、私たちは STANDARDチケットを購入しました。
イチャン・カラの入場チケット(2019年9月の情報です)
チケット | 料金(大人一人) | チケットに含まれるもの |
VIP | 150,000スム | 旧市街への入場、旧市街内の16の博物館、城壁の上、イスラムフッジャミナレット、見張り台 |
STANDARD | 100,000スム | 旧市街への入場、旧市街内の16の博物館 (注) |
ECONOMY | 50,000スム | 旧市街への入場(注) |
(注)STANDARDチケット、ECONOMYチケットでも、追加料金を支払えば、イスラムフッジャミナレットと見張り台に上ることが可能です。(ミナレットの追加料金は15,000スム、見張り台の追加料金は20,000スム)
- 各チケットの有効期限は2日間(48時間)
- 子供料金(18歳未満)は半額
- クレジットカードは使えません。
- チケット売り場は、西門の前にあります。
- 西門と東門ではチケットのチェックがありましたが、北門と南門ではチェックはありませんでした。
- 城壁の上に登れるのはVIPチケットのみと書いてあったのですが、北門からはチケットチェックなしで城壁の上にも登ることができました。(ただし、北門では工事が行われていたので、ひょっとしたら、工事完了後にはチケットのチェックポイントができるのかもしれません。)
- パフラヴァン・マフムド廊の入場料は、どのチケットにも含まれていませんので、別途に入場料を支払う必要があります
ヒヴァへのアクセス
タシケントから:
タシケント→ウルゲンチ 空路(ウズベキスタン航空)で約1時間半
ウルゲンチ空港→ヒヴァ旧市街 車で約45分(ヒヴァのホテルで事前に手配をしてもらいました)
ブハラから:
ブハラ→ヒヴァ: 高速鉄道で約6時間。
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