2022年8月 イタリア旅行
ヴェネツィアに2泊した後は、ロンバルディア州のブレーシャ(Brescia)という町へ移動。ヴェネツィアからブレーシャまでは、特急列車で2時間弱です。
ブレーシャは、ロンバルディア州ではミラノに次いで人口の多い町なのですが、観光地としてはあまり知られていません。ロンリープラネットでも、掲載ページ数がとても少なかったので、実はあまり期待はしていなかったのですが、これが、なかなか良い町だったのです。
ちなみに、ブレーシャは、日本語ではブレシアと表記されることも多いようですが、電車のアナウンスを聞く限りでは、ブレーシャもしくはブレッシャという発音に近いような気がしたので、ここではブレーシャと表記させていただきたいと思います。
古代ローマ遺跡
古代ローマ時代にはブリクシアという名前で栄えていたブレーシャの町には、たくさんのローマ遺跡が残っています。
なかでも、見ごたえがあるのが、1世紀に建てられたカピトリーノ神殿(Tempio Capitolino)です。
カピトリーノ神殿の近くには、ローマ劇場やフォロ広場といった遺跡が点在しています。
実は、カピトリーノ神殿のすぐ隣には、Parco Archeologico di Brixiaという考古博物館もあって、博物館の中にも色々と発掘されたものが展示されていたらしいのですが、まったく気づかずに、見逃してしまいました。ううっ、残念!
サンタジュリア博物館
カピトリーノ神殿から東へ少し歩いたところには、ブレーシャの美術品が展示されているサンタジュリア博物館(Museo di Santa Giulia)があります。
古代ローマ時代の遺跡から発掘された美術品も数多く展示されているようなので、行ってみたいなと思っていたのですが、時間切れ + 体力切れ(真夏の暑い日だったので熱中症になりそうなくらい疲れていた。。。)で、訪れることができませんでした。
博物館となっている建物自体も歴史的建造物(サン・サルヴァトーレ教会とサンタ・ジュリア修道院)で、とても見ごたえがあるようなので、この博物館に行きそびれてしまったのは、非常に残念でした。
新旧2つの大聖堂
ブレーシャの町には、新旧2つの大聖堂が並んで建っています。
ドゥオモ・ヴェッキオ(Duomo Vecchio)と呼ばれる旧大聖堂は、11世紀に建てられたロマネスク様式の教会。
ドゥオモ・ヴェッキオの内部は、ほんとうに厳かな雰囲気で、言葉を失うほど感動。
教会の床下には、古代ローマ時代の床モザイクの遺跡も残っていましたよ。
そして、旧大聖堂の隣にドーンと聳え立っているのが、ドゥオモ・ヌオーヴォ(Duomo Nuovo)と呼ばれる新大聖堂。
この教会の建設が始まったのは1604年で、完成したのは1825年。新しい大聖堂とはいっても、完成後200年近く経つ歴史的建造物です。
壮大かつ華麗な、美しい大聖堂です。
この新旧2つの大聖堂があるパウロ6世広場(Piazza Paolo VI)には、ブロレット館(Palazzo del Broletto)という12世紀~13世紀に建てられた建造物も建っています。
新旧2つの大聖堂とプロレット館が並ぶ様子は圧巻。中世の雰囲気にどっぷりと浸ることができます。
ロッジア広場
パウロ6世広場のすぐ近くには、ロッジア広場(Piazza della Loggia)という美しい広場があります。
広場の西側に建つロッジア宮殿(Palazzo della Loggia)は、15世紀~16世紀にかけて建てられたもので、今現在はブレーシャの市庁舎となっています。私たちが訪れた時は外装修復中だったので写真は撮らなかったのですが、とてもエレガントな美しい建物です。
そして、広場の東側には、美しい時計台(Torre dell’Orologio)のついた建物が建っています。
ロッジア広場周辺の細い路地には、雰囲気の良いオステリアやトラットリアなど、飲食店がいっぱい並んでいます。
ブレーシャの美味しいお店
ブレーシャで訪れた美味しいお店を2軒ご紹介しましょう。2軒とも、ロッジア広場のすぐ近くにあります。
Osteria Al Bianchi
入口には地元のおじさん達がたむろすバーがあって、その奥にテーブル席の食堂があるオステリア。ロッジア広場の近くにあります。
このお店で食べたタリアータが、絶品でした。
このお肉を、ルッコラがいっぱい入ったグリーンサラダと一緒に食べると、最高に美味しいです!
気取らない昔ながらのオステリアといった感じのお店です。
→ Osteria al Bianchi のウェブサイトはこちら
La Vineria
カジュアルかつエレガントで、居心地の良い小さなレストラン。ロッジア広場の一画にあります。
お料理は、伝統的なイタリアンと言うよりは、ちょっとツイストの効いたモダンなイタリアン。
どのお料理も丁寧に調理されていて、とーっても美味しかったです。
パラタの塔
ロッジア広場から Corso Goffredo Mameli という通りを西に向かって歩いていたら、突然、壮大な中世の塔が目の前に現れました。
このパラタの塔(Torre della Pallata)は、城壁の門を守るための塔として、13世紀に建てられたもの。ちなみに、かつて町を取り囲んでいた城壁や門は今は残っていません。
パラタの塔の周辺には、細い路地がたくさんあって、趣ある街並みが広がっていました。
この周辺は、今は、移民の人達が多く集まるエリアのようで、エスニックなレストランやカフェが並び、個性的で楽しそうなエリアでした。
ブレーシャ城
ブレーシャの旧市街の北東部にある小高い丘の上には、ブレーシャ城(Castello di Brescia)が建っています。私たちは遠くから眺めただけでしたが、お城の中に入って見学することもできます。
中世に要塞として建てられたお城で、内部には、中世の鎧などを展示した博物館もあるようです。
ミッレミリアの開催地
ブレーシャは、ミッレミリア(Mille Miglia)という有名なクラッシックカーレースの出発およびゴール地点となっている町です。
たしか、昔、堺正章さんが参加されてましたよね!
ブレーシャの町はずれには、ミッレミリア博物館(Museo Mille Miglia)もあります。
ブレーシャの町の歩き方
ブレーシャの鉄道駅から町の中心部までは、徒歩で約10分です。
町の中心部には、Corso Palestro ~ Corso Giuseppe Zanardelli という歩行者天国の商店街が東から西へと走っていて、旧市街の見どころは、この商店街の北側に集まっています。
町の中心部には、ヴィットリア広場という大きな広場があり、ここにはメトロ(地下鉄)の駅があります。ヴィットリア広場はアールデコ調の建物に囲まれた綺麗な広場ではありますが、観光的な見どころはありません。ヴィットリア広場では時間を潰さずに、ロッジア広場やパウロ6世広場へと向かいましょう。
上にも書きましたが、ロッジア広場周辺には、雰囲気の良い飲食店がたくさんありますので、お昼時に合わせて訪れるとよいでしょう。
パウロ6世広場にある新旧2つの大聖堂は、シエスタの時間は閉まってしまいますので、午前中もしくは午後3時以降に訪れましょう。(正確なシエスタの時間はウェブサイトで確認してください。)
また、商店街で買い物をしたい場合も、シエスタの時間は閉まってしまうお店が多いので要注意です。
ロッジア広場やパウロ6世広場からローマ遺跡(カピトリーノ神殿)までは、徒歩で5分ほどです。そして、ローマ遺跡から更に300メートルほど先に、サンタジュリア博物館があります。
私の場合は、翌日に乗るガルダ湖行きのバスのことを調べるのに時間がかかってしまい、観光の時間が少なくなってしまったり、また、観光の下調べをせずに歩きはじめてしまったため、効率の悪い周り方をしてしまったりと、ちょっぴり後ろ髪を引かれる思いでブレーシャの町を後にしましたが、ブレーシャの町の中心部は、コンパクトに纏まっているので、下調べさえしておけば、丸一日で十分に観て回れると思います。
ブレーシャの見所を纏めた地図を作ってみましたので、是非参考にしてくださいね。
ブレーシャへのアクセス
ブレーシャは、ミラノからヴェネツィアやフィレンツェ方面へ向かう主要鉄道路線上に位置していますので、鉄道をつかって簡単にアクセスすることができます。
ミラノからブレーシャまでは、特急列車を使えば40分なので、日帰り圏内です。
私の場合、ブレーシャには、ガルダ湖西岸のサロという町へ向かう中継地として泊まりました。(ブレーシャからサロまでは、バスで1時間。)
ガルダ湖のサロは、とても素敵なところだったので、ブレーシャ+サロ という組み合わせは、おすすめですよ!
コメント
毎回楽しみに拝読させて頂いています。
特に今回は、
カピトリーノ神殿の写真を見て、マカオの聖ポール大聖堂跡を思い浮かべ、
ドゥオモ・ヌオーヴォを見て、ミラノのドゥオモ広場周辺の景色を思い出したり、
ブレーシャ城をみて、スペイン・セゴビアのアルカサル(白雪姫のお城のモデルとなった城)を懐かしく思ったりetc etc、
次々と、異なる地の景観が頭に思い浮かび楽しかったです。
ヨーロッパに起源を持つ、聖堂、城、町並み(含、路地裏の通り)は現在地がどこであっても、雰囲気が良く似ていて楽しいですね。
藤原さん、コメントありがとうございます。
ブレーシャの町は、観光地としては知名度が低いのに、こんなにもたくさんの見どころがあって、さすがイタリアだなあ、と感心しました。
楽しかったです。