2016年9月21日~10月14日 アメリカ合衆国 [6]
ペトリファイドフォレスト国立公園を訪れた後は、そのまま東へ110キロ車を走らせて、ニューメキシコ州のギャラップ (Gallup) という町に1泊。次の目的地のサンタフェまで直行するには距離がありすぎるので、ここで1泊しただけで、ギャラップ自体は正直つまらない町です。ただ、比較的大きな町なので、宿泊施設は豊富。そしてホテル代が安い!!私達が泊まったのは、Springhill Suites Gallup という建ったばかりの新しくてモダンなホテルですが、1泊税込みで90ドルでした。
ギャラップで1泊した翌朝は、サンタフェへ向かって出発。ギャラップからサンタフェまでは、ハイウェイをとばせば3時間ぐらいで到着するのですが、実はその前に行ってみたい場所があったので、ちょっと寄り道。。。
寄り道したのは、ギャラップから90キロほど南東にある エル・モロ国定公園 (El Morro National Monument) という場所です。
ニューメキシコ州のこの辺りは、標高の高い乾燥した平原が続いているのですが、そんな中、突如として現れるのが エル・モロ (El Morro) と呼ばれる岩山です。
この切り立った岩山の麓には、雨や雪解け水が流れ落ちて貯まった池があり、古くから多くの人々が水源を求めてこの場所にやってきました。
要するに、砂漠の中のオアシスって訳ですね。
そして、このオアシスを訪れた人々が、柔らかな砂岩でできた岩壁に絵や文字を刻んで、「落書き」を記していったんです。
歴史的に重要なこれらの「落書き」を守るために、米国政府は1906年にこれ以上この場所に文字や絵を刻むことを禁止し、国定公園として保護されることとなりました。現在、エルモロ国定公園の岩壁には、2000以上もの「落書き」が残っているんですよ!
エルモロ国定公園のビジターセンターからは、”Inscription Rock Trail” というトレイルが続いていて、岩山の麓を歩きながら、岩壁に彫られた落書きを見ることができるようになっています。
エルモロ国定公園の岩壁に残る「落書き」で、もっとも古いものは、11世紀から15世紀初頭にかけてアナサジ族(古代プエブロ人)によって記されたもの。
そして、17世紀になってからは、この地にやってきたスペイン人が、エルモロの麓にある水辺で休憩をした際に、自分の名前やメッセージをこの岩壁に刻むようになります。
そして、この地がアメリカ合衆国となった19世紀中旬以降は、西部開拓で東から西へと移動して行ったアメリカ人たちによって、名前やメッセージが刻まれるようになります。
正に、この岩壁には、「アメリカ先住民の歴史」「スペインによるアメリカ大陸の植民地化の歴史」「アメリカ人による西部開拓の歴史」というアメリカの歴史の変遷が記されているという訳なんです!
岩壁に刻まれた落書きを見て周った後は、”Mesa Top Trail” というトレイルを歩いて、岩山の頂上へと向かいます。
エルモロの頂上からは、周りの平原が見渡すことができて、素晴らしい景色!
エルモロの頂上に到着してみると、面白いことに、エルモロの岩山の真ん中には穴が開いて、渓谷のようになってるんですね。
このエルモロの頂上を歩くウォーキングトラックは、岩場の間をすり抜けていったり、迷路みたいなところを歩いたりするので、めっちゃ楽しい!!
こんな岩ばっかりのところに、木も生えてるんですね。
そして、このエルモロの頂上には、なんと、古代プエブロ人の住居跡の遺跡が残っているんですよ!
この古代プエブロ人の住居は、13世紀後半に造られたもの。
当時、この岩山の頂上には、約1500人の古代プエブロ人が住んでいたんだそうです。岩山の下の平地でトウモロコシなどの作物を作り、水は、岩の窪みに貯まった水や、麓の池の水を利用していたんだそう。こんな高い岩山の上に住むなんて、上り下りが大変そう!と思うけど、外敵から守るためなのかな?
このエルモロ国定公園は、予想を遥かに超える素晴らしいところでした。
この後、更にサンタフェまでの長距離ドライブが控えていたので、岩山の頂上まで登るべきかどうか、ちょっと迷ったんだけど、頂上まで登って本当に良かった!!
ちなみに、頂上まで登る “Mesa Top Trail” は、全長3.2キロ。ループになったトレイルなので、登りと下りで違う景色が楽しめて、とても良かったです。
エルモロ国定公園は、辺鄙な場所にあるので、なかなか訪れる人も少ないと思うんだけど、私たちのように、アリゾナ州からニューメキシコ州北部へ車で抜けるなら、是非寄り道してもらいたい場所です。
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