2016年5月25日〜6月3日 イギリス [3]
今回ロンドンで宿泊したのは、ロンドンの中でも「シティ」と呼ばれるエリア。「シティ」というと、ビジネス街というイメージがあるので、観光的には魅力がないように思われるかもしれませんが、シティ・オブ・ロンドンは、もともとロンドンという町が始まった場所。なので、歴史的な建造物や昔ながらのパブが残っていたりして、なかなか趣きがあるエリアなんですよ。
シティ・オブ・ロンドンの中でも、私が特に好きなのが、フリート ストリート (Fleet Street) という通りです。
フリートストリートへの最寄り駅は地下鉄のTempleという駅なんですが、観光客なら、トラファルガー広場方面からアクセスすることになるケースが多いんじゃないかな、と思います。
トラファルガー広場 (Trafalgar Square) から、ストランド (Strand) という通りを東へ歩いて行くと、15分ほど歩いた所で、左手に王立裁判所 (Royal Court of Justice) が見えて来ます。
王立裁判所は、英国の最高裁判所。19世紀に建てられた荘厳な建物です。
そして、この王立裁判所の前の道の真ん中に立っているのが、テンプル・バー・メモリアル (Temple Bar Memorial) という記念碑。
ここは、その昔、シティ・オブ・ウェストミンスターからシティ・オブ・ロンドンへと入る門「テンプル・バー (Temple Bar)」があった場所。
道路の交通量が増えたため、19世紀にテンプルバーの門が取り除かれ、その代わりに、現在立っているテンプル・バー・メモリアルが建造されました。その昔、国王がシティオブロンドンに入るには、ロンドン市長の許可が必要だったんだそう。今でもその伝統にのっとって、セレモニーなどで国王(女王)がシティオブロンドンを訪れる際には、このテンプルバーメモリアルで一旦停止してロンドン市長からの許可を受けるという儀式が行われているんだそうですよ。
ちなみに、19世紀にシティオブロンドンの入口から取り除かれたテンプルバーの門は、保存され、今では、セントポール大聖堂のすぐ隣のパタノスター・スクエア(Paternoster Square)に再建されています。
このテンプル・バー・メモリアルを通り過ぎて、シティ・オブ・ロンドンに入ると、道の名前も、それまでのストランドからフリート ストリートへと変わります。
ウェストミンスター宮殿とロンドン塔を結ぶ主要道路として古くから栄えていたこの通りには、歴史を感じさせる古い建物が数多く見られます。
フリート街は、18世紀~1980年代まで、数多くの新聞社や出版社が並んでいたことでも知られています。そのため、この通りには、新聞記者や文人がたむろしていた老舗パブが何軒もあるんですよ。
文豪チャールズ・ディケンズが常連だったパブ Ye Olde Cheshire Cheese
テンプル・バー・メモリアルから500メートルほど歩くと、道の名前がフリートストリートからルドゲートヒル (Ludgate Hill) へと変わります。ここから更に300メートルほど歩くと、チャールズ皇太子と故ダイアナ妃が結婚式を挙げたセントポール大聖堂があります。トラファルガー広場から、フリートストリートを経て、セントポール大聖堂まで歩くと、約2キロ。そんなに長い距離ではありませんが、歩きたくない場合は、トラファルガー広場から15番のバスに乗るのがおすすめ。
15番のバスは、トラファルガー広場からフリートストリート、セントポール大聖堂、ロンドン塔を経由して、ロンドン東部のブラックウォールステーションというところまで走っているバスです(当然逆方向もあり)。なかなか観光に便利な路線ですよ。
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