2016年5月25日〜6月3日 イギリス [2]
ロンドンの象徴と言っても過言ではないビッグベン (Big Ben)。
この有名な時計台ビッグベンは、英国国会議事堂の建物の一部なんですが、実は、この国会議事堂の内部を見学することができるってご存知ですか?
私も、今まで、国会議事堂の中に入れるなんて全然知らなかったのですが、夫の提案で、見学ツアーに参加してみよう!ということになりました。
この英国国会議事堂(パーラメント)の内部見学ツアー(有料)は、見学できる人数に制限がありますので、前もってパーラメントのウェブサイトから予約を入れておく必要があります。ガイド付きのツアーもありますが、私たちが選んだのは、オーディオツアーという、ヘッドフォンでオーディオガイドを聴きながら各自で見学するというものです。(→詳細はこちら)
見学ツアーの入口は、テムズ川の裏側(ウェストミンスター寺院側)のクロムウェルグリーン (Cromwell Green) という場所です。
予約した時間にここから並んで入場。セキュリティチェックを受けて、いよいよ見学ツアーの始まりです。
ところで。。。
この英国国会議事堂の建物の正式名称は、
ウェストミンスター宮殿 (Palace of Westminster)
といいます。そう、ここは、宮殿なんですよ。
もともと王宮として中世に建てられた宮殿は、1834年の火事で焼失してしまったため、現在建っているこのウェストミンスター宮殿は19世紀に建てられたものです。
建物の中に入ると、ウェストミンスターホール (Westminster Hall) という巨大な広間が広がっています。
先ほど、旧宮殿が1834年に火事で焼失してしまったと書きましたが、その時、唯一火災の被害を逃れたのが、このウェストミンスターホール。11世紀に建造されて以来、数々の裁判や儀式・祝宴が行われて来た歴史的な場所です。
そして、このウェストミンスターホールを通り抜けると、セントスティーブンスホール (St Stephen’s Hall) が現れます。
1834年の火災以前は、この場所にセントスティーブンス礼拝堂があり、ここで下院議会が開かれていました。 現在は、数々の彫像や絵画、モザイク、シャンデリアで飾られた美しいホールになっています。
さて、ここから先は、残念ながら写真撮影が禁止だったので、 ウィキペディアなどから写真を拝借。。。
セントラルロビー (Central Lobby)
ウェストミンスター宮殿の中心部にある八角形の形をしたロビー。高い天井にタイルの床、数々の彫刻やモザイク画で飾られた美しいロビーです。
イギリスの議会は、貴族院 (House of Lords) と呼ばれる上院と、庶民院 (House of Commons) と呼ばれる下院から成る二院制。このセントラルロビーから右手が上院、左手が下院になります。
見学ツアーの順路は、先ずは右手の上院側から。
ロービングルーム (The Robing Room)
ロービングルームは、女王陛下が国会でスピーチをする際に、深紅のローブを纏ったり、王冠をつけたりする場所。ま、女王陛下の控え室ってところでしょうか。
ロイヤルギャラリー (The Royal Gallery)
上院側にありますが、両議会のメンバーを迎えての国会行事やレセプションなどに使われるエリアです。
貴族院議会(The Lords Chamber)
ロイヤルブルーのカーペット、赤い革張りの椅子、金ぴかの装飾。え~っ、今でもこんな所で議会が行われているの!?とビックリする程、豪華絢爛な議会場です。ちなみに、英国国会では、年に一度、国王が議会を訪れ、この場所で開会のスピーチを行います。
上院側の見学を終えたあとは、今度はセントラルロビーの逆側にある、下院側へ。
メンバーズロビーという、ウィンストンチャーチルやマーガレットサッチャーといった歴代首相の銅像が並ぶロビーの奥に、庶民院の議会場があります。
庶民院議会 (Chamber of Commons)
ここは、イギリス国会のTV中継などでもおなじみの場所ですよね。庶民院議会の議会場は、貴族院議会のような煌びやかさはありません。オーストラリアもイギリスと同じなんですが、与党と野党は向かい合って座ります。扇形に広がって座席が配置されている日本やアメリカの議会に比べると、イギリス式の座席配列のほうが、国会中継を見ていても、与党と野党の対立する様子などが手に取るように判って、面白いな、といつも思います。下院側の見学を終えた後は、再びセントラルロビーへ戻り、セントスティーブンスホールを経由して、ウェストミンスターホールへと戻り、オーディオガイドによるツアーは終了です。
実際に見学ツアーに参加する前は、「国会議事堂」ということで、ちょっとお堅い社会科見学っぽいのを想像してたんですが、さすが女王陛下の国イギリスだけあって、事務的な国会議事堂というよりは、正に宮殿という言葉のほうがぴったりとくる豪華絢爛さ。
特に、貴族院の議会場は、まるで映画の1シーンに迷い込んだかのようで、思わず感嘆の声が上がるほど美しかったです。
私が参加したこのツアーは、オーディオガイドを聴きながら見学するセルフツアーですので、見学にどれだけ時間をかけるかは各個人次第ですが、オーディオガイドを聴きながら一通り見学すると、1時間ちょっとかかります。オーディオガイドは、英語だけじゃなくて各国語が選べるようになっているのですが、残念ながら日本語はありません。
日本語で説明が聞きたい!という場合は、日本語のガイドによるツアーもあります。
オーディオガイドによるセルフツアーに比べると、値段は高くなりますが、せっかく見学するのですから、日本語のガイドさんに説明してもらうのも一手だと思います。
議会の開催期間や曜日などによって、見学ツアーが行われていない日もありますが、ロンドン滞在中に見学ツアーが開催されているようなら、是非参加してみてください。英国王室と議会の歴史を肌で感じる事ができますよ!
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