2022年8月 イタリア旅行
オーストラリアからイタリアに到着して、ローマに1泊した後は、鉄道でボローニャ (Bologna) へ移動。ローマのテルミニ駅からボローニャまでは、高速鉄道で約2時間半です。
私たち夫婦は、ボローニャが大好きで、今まで何度もボローニャを訪れています。うち2回は、アパートメントを借りてロングステイしたこともあり、この町には特別の思い入れがあるんです。
今回は、たったの2泊でしたが、やっぱりボローニャはいい街だなあ~と再確認。
ボローニャの見どころについては、過去ブログにもたくさん載せていますが、今回は、大好きなボローニャの町の魅力と見どころについて、まとめてみたいと思います。
ポルティコが続く美しい街並み
ボローニャの街の一番の特徴は、「ポルティコ (Portico) 」と呼ばれる柱廊です。
街のいたるところに美しいポルティコが張り巡らされていて、「ボローニャのポルティコ群」としてユネスコの世界遺産にも登録されています。
時代によってさまざまな様式のポルティコが残っていて、中には、中世に築かれた木製のポルティコが残っている場所もあります。
私がもっとも好きなポルティコ群は、サントステファノ広場 (Piazza Santo Stefano) の周辺です。
ちなみに、サントステファノ広場にあるサントステファノ教会は、内部が素晴らしいので、お見逃しなく!
中世の塔がいっぱい!
ボローニャには、11世紀~13世紀にかけて、たくさんの塔が建てられました。もともとは、防衛目的の見張り台として建てられ始めたものですが、次第に、町の有力者の権力の象徴として次々と塔が建てられるようになり、12世紀には90以上もの塔が建っていたんだそうです。
今でも、22の塔が現存しており、ボローニャの街を散策していると、いたるところで中世の塔に出くわします。
なかでも、ガリゼンダの塔 (Torre Garisenda) とアジネッリの塔 (Torre degli Asinelli) という2つの斜塔が特に有名。
アジネッリの塔は、塔の上まで登ることも可能です。
重厚感ある赤い街並み
ボローニャの街には、どっしりとした赤レンガ造りの建造物が多く、町全体が赤茶色をしています。
また、屋根にも赤茶色の瓦が使われていたり、窓にも深紅の布がかけられていたりと、町の中が赤い色で溢れています。
この赤い街並みに加え、政治的に左寄りの思想が強い町であることから、ボローニャは「赤い町」という異名を持っているんですよ。
欧州最古の大学がある町
1088年に創設されたボローニャ大学は、ヨーロッパ最古の大学として知られています。
アルキナンジオ館 (Palazzo dell’Archiginnasio) は、かつてボローニャ大学の校舎として使われていた美しい建物で、一部のエリアを除き、一般の観光客も中に入って見学することができるようになっています。建物の内部には、無数の紋章が飾られていて、とても美しいので、是非見学してみて!
なかでも、実際に人体解剖が行われた解剖学教室(Teatro Anatomico)と、スターバト・マーテルの間 (Sala dello Stabat Mater) と呼ばれる講義室は必見です。
ちなみに、現在のボローニャ大学の校舎は、アルキナンジオ館から1キロほど離れたエリアに集まっています。
美食の街
美食の街として知られるボローニャには美味しいものがいっぱい!
特に有名なのがボロネーゼと呼ばれるミートソース。本場のボロネーゼは、スパゲッティと合わせるのではなく、タリアテッレやトルテリーニと合わせるのが主流です。
トルテリーニは、具を詰めて指輪のような形にしたボローニャ発祥のパスタです。
詰め物をしたパスタということで、ラビオリと似ていると思われるかもしれませんが、トルテリーニは詰め物の量が少ないので、食感がラビオリとはまったく異なります。生地自体の美味しさとアルデンテな歯ごたえを堪能することができるので、私はトルテリーニが大好きです。
そして、ボローニャ発祥のものといえば、モルタデッラと呼ばれるソーセージも有名です。
この他にも、ボローニャのあるエミリアロマーニャ州には、パルマの生ハムやパルミジャーノレッジャーノ、モデルナのバルサミコ酢など、美味しいものがいっぱい!
ボローニャの街の中心のマッジョーレ広場から東に延びる Via Pescherie Vecchie という細い路地にはハムやチーズを売るお店、肉屋、魚屋、八百屋などがずらりと並び、メルカート・ディ・メッツォ(Mercato di Mezzo)と呼ばれる食品市場街となっています。
ハムやチーズを売るお店は、路上にテーブル席を設け、飲食を楽しむことができるようになっているところも多く、また、屋内で飲食を楽しめるフードコートのような場所もあるので、ランチやディナーにこのエリアを訪れるのもおすすめです。
また、マッジョーレ広場の北側の Via Ugo Bassi という大通りを西へ500メートルほど歩いたところには、エルベ市場(Mercato delle Erbe)という屋内市場もあります。
エルベ市場のほうは、主に生鮮食品を売るお店が並ぶ割と地味な市場だったのですが、数年前にフードコートのようなスペースができて、今ではエルベ市場内でも飲食も楽しめるようになっているようです。今回、私たちが訪れた時は、8月だったからか、エルベ市場内の殆どの飲食店は残念ながら休業中だったので、ひっそりとしていましたが、次回ボローニャを訪れることがあったら、エルベ市場内の飲食店も是非訪れてみたいなと思っています。
美食の街のボローニャには、もちろん、美味しいレストランもいっぱいあります。
カジュアルなオステリアから、エレガントなリストランテまで、よりどりみどりですが、質が良くて、リーズナブルな価格のお店が多いように思います。
観光客が多すぎず、物価も安め
ボローニャがあるエミリアロマーニャ州は、お隣のトスカーナ州に比べると、知名度が低いですよね。
今回8年ぶりにボローニャを訪れてみて、以前よりも観光客が増えたなあと感じましたが、それでも、フィレンツェやシエナといったトスカーナ州の人気の街とは比べものにならないくらい観光客は少ないです。
なので、ボローニャには、いかにも観光客をターゲットにしたような陳腐なお土産物屋さんなどもありませんし、フィレンツェなどに比べると物価も安めです。
街に活気がある
観光客が少ないとは言っても、ボローニャは、決して、ひっそりとした小さな田舎町ではありません。
中世から栄えていた町だし、今現在もエミリアロマーニャ州の州都だし、そして、由緒あるボローニャ大学もあるので若者も多く、とても活気がある町なんです。
昔から続く老舗がある一方で、若者が集まる今風のお店もあったりするので、歩けば歩くほど新しい発見があって、とても楽しい町です。
交通の便が良い
ボローニャは、ローマ ⇔ フィレンツェ ⇔ ミラノ を繋ぐ高速鉄道の停車駅です。高速鉄道を使えば、ローマへは2時間半、フィレンツェへは40分、ミラノへは70分。そして、ヴェネツィアへも1時間半で行けちゃいます。
また、ボローニャには空港があって、ヨーロッパの主要都市からの直行便も就航しています。なので、例えば、日本から、ロンドンやパリ、フランクフルトなどを経由して、ボローニャに入ることもできるんです。
ボローニャ空港は、ミラノのマルペンサ空港やローマのレオナルドダビンチ空港に比べると、とてもこぢんまりとした空港なので、チェックインや荷物の受け取りなども楽ちんです。また、空港から市内へのアクセスも良く、空港からボローニャ中央駅までは、マルコーニエクスプレスというモノレールでたったの10分です。
ロンドンやパリからフィレンツェに行きたい、なんていう場合も、飛行機でミラノまで入るよりも、ボローニャに入るほうが楽ちんだと思いますよ。
ボローニャの歩き方
ボローニャの歴史地区は、ボローニャ中央駅(Bologna Centrale)の南側に広がっています。
下の地図で六角形のような形をした道路に囲われたエリアが、ボローニャの歴史地区になります。この六角形状に道路が走っているところは、かつて、ボローニャの町を取り囲む城壁があった場所。城壁自体は殆ど残っていないのですが、城壁の門は今でも10ヶ所残っています(上の地図の▲印)。
ボローニャの町の中心となっているのが、マッジョーレ広場 (Piazza Maggiore)です。 アックルージオ宮(市庁舎)、サンペトロニオ聖堂、ポデスタ宮、バンキ宮、エンツォ王宮といった壮大な歴史的建造物に囲まれた、美しい広場です。
ボローニャ中央駅からマッジョーレ広場へは徒歩で約15分。駅からインディペンデンツァ通り(Via dell’Independenza)を真っすぐ南へ向かって歩くとマッジョーレ広場に到着します。
ちなみに、駅からは、グリエルモ・マルコーニ通りという大通りも南へ向かって伸びているのですが、この通りの周辺は、戦後に建てられた味気ない建物が多く、あまり魅力的なエリアではありません。。。 なので、駅からは、インディペンデンツァ通りを歩いて、マッジョーレ広場へ向かいましょう。
マッジョーレ広場の東側には、上の「美食の街」の項で書いたメルカート・ディ・メッツォ(Mercato di Mezzo)と呼ばれる市場街があり、この周辺は、もっとも観光客で賑わっているエリアです。
私がボローニャで最も好きなのが、マッジョーレ広場の南東にあるアルキナンジオ館からサン・ドメニコ教会にかけてのエリアと、サントステファノ教会があるサントステファノ広場の周辺です。この辺りは、とても上品でエレガントな雰囲気に溢れていて、美しい街並みを見ながらのんびりと散策するのが楽しいエリアです。
そして、中世にタイムスリップしたかのような気分に浸ることができるのが、2本の斜塔(ガリゼンダの塔とアジネッリの塔)の周辺です。
斜塔の周辺には、中世に建てられた重厚感ある建造物が多く、このエリアには木造のポルティコも残っています。
また、ここから放射線状に延びる5本の道(Via Zamboni, Via San Vitale, Strada Maggiore, Via Santo Stefano, Via Castiglione)には、ポルティコが延々と続き、ボローニャらしい景観が楽しめます。
斜塔のすぐ近くにある旧ユダヤ人居住区には、迷路のような細い路地が入り組んでいます。旧ユダヤ人居住区から北に延びるグリエルモ・オベルタン通り(Via Guglielmo Oberdan)には、雰囲気の良い飲食店も点在していたり、古い水路が残っているエリアもあるので、この通りを歩いてみるのも面白いと思います。
ボローニャは治安も良く、私はいままでボローニャで危険を感じたことはありません。が、敢えて雰囲気があまり芳しくないエリアを挙げるとすると、ザンボーニ通りのボローニャ大学周辺とボローニャ中央駅の周辺かな。この辺りは、建物への落書きも多く、ちょっと荒んだ雰囲気が漂っています。
ボローニャについては、過去にもたくさんブログ記事を書いていますので、是非そちらも参考にしてみてくださいね。 → ボローニャのブログ記事一覧はこちら
ボローニャではどこに泊まる?
ボローニャの魅力を思う存分に楽しむなら、やはりマッジョーレ広場の近くに泊まりたいですね。マッジョーレ広場から半径500m以内のエリアに泊まるとベストかな、と思います。
もしくは、駅から近いホテルがいい、ということであれば、駅前に、Starhotels Excelsior, UNA Hotels という2つのホテルが並んでいますので、そちらに泊まると良いでしょう。
ボローニャから日帰りで行ける町
交通に至便なボローニャからは、公共交通機関を使って日帰りで行ける町がたくさんあります。ボローニャにロングステイして、日帰りであちこち出かける旅も楽しいですよ。
- モデナ 電車で約20分 →モデナのブログ記事はこちら
- フェッラーラ 電車で約30分 →フェッラーラのブログ記事はこちら
- フィレンツェ 電車で約40分 →フィレンツェのブログ記事はこちら
- パルマ 電車で約50分 →パルマのブログ記事はこちら
- ヴェローナ 電車で約50分
- パドヴァ 電車で約1時間 →パドヴァのブログ記事はこちら
- マラネッロ 電車とバスを乗り継いで約70分 →マラネッロのブログ記事はこちら
- ラヴェンナ 電車で約70分 →ラヴェンナのブログ記事はこちら
- ミラノ 電車で約70分 →ミラノのブログ記事はこちら
- ヴェネツィア 電車で約1時間半 →ヴェネツィアのブログ記事はこちら
- マントヴァ 電車で約1時間45分 →マントヴァのブログ記事はこちら
- シエナ 電車とバスを乗り継いで約2時間 →シエナのブログ記事はこちら
- ルッカ 電車とバスを乗り継いで約2時間 →ルッカのブログ記事はこちら
- サンマリノ共和国 電車とバスを乗り継いで約2時間 →サンマリノ共和国のブログ記事はこちら
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