中世から蘇った街 サルラ

フランス

2泊3日の駆け足バスクの旅を終えて、フランスのボルドーに帰還。 ボルドーに1泊した後、またまたスーツケースをホテルに預かってもらって、今度は、ボルドーの東にあるサルラ (Sarlat) という町まで1泊旅行に出かけました。

ボルドーからサルラまでは鉄道で3時間近くかかるのですが、緑一杯の美しい田舎の景色や、蛇行するドルドーニュ川を何度も渡ったり、遠くにお城のような建物が見えたり、岩壁にへばりついたような村が見えたり、と、車窓からの景色も楽しめるので、まったく退屈しません。

サルラの駅から旧市街の中心までは約1.5キロ。 宿泊したホテルまでだと2キロ近くあったので、駅からタクシーに乗るつもりだったのですが、駅を降りてみると、タクシーがいない!

ホテルに電話してタクシーを呼んでもらうこともできたと思うのですが、お天気もいいし、荷物も1泊分の小さなキャスター付のバッグだけなので、歩いていくことにしました。幸い、登り坂もなく、歩道もあって歩きやすい道だったので、ホテルまで簡単に歩いていくことができました。

 

さて、サルラは、フランスのドルドーニュ地方にある小さな田舎町。 中世から抜け出てきたような街並みが残っていることで有名な町です。

9世紀にベネディクト派の修道院が建てられたサルラの町は、14世紀には商業地として大変栄えていましたが、14世紀中頃にフランスとイギリスの間で起こった百年戦争に巻き込まれてしまいます。百年戦争によって多大な被害を受けたサルラですが、百年戦争後、15世紀後期~18世紀にかけて、町は再建され、政治・司法の中心地として再び繁栄の時を迎えます。

ところが、18世紀以降は、主幹道路から外れていたり鉄道が通っていないといった地理上の不利から、町は衰退の一途を辿ります。

時代の波から置いてきぼりになったようなサルラの町が再び息を吹き返したのは、20世紀の中頃。Loi Malrauxという歴史的建造物などを保存する為の法律の適用第一号となり、助成金により町が修復・保護され、中世の街並みが蘇りました。


蜂蜜色をした石造りの建物が並んだサルラの旧市街。

石畳の細い道

 

サルラ旧市街の中心となるのが、リベルテ広場(Place de la Liberté)です。

この広場に面して建っている大きな建物が、旧サント・マリー教会(Eglise Sainte-Marieen)。

なぜ、「旧」なのか、と言うと、この教会は13世紀末から16世紀頃までにかけて建てられたのですが、2001年に改装されて、現在では屋内市場(マルシェ)として使われているんです。

この写真を撮った時は既にマルシェが終わってしまっている時間だったのですが、マルシェが開いている時は、教会の建物の側面にある大きな鉄の扉が開いて、中に市場が立つんです。

教会から市場への改装を手がけたのは、ジャン・ヌーベル(Jean Nouvel)という有名な建築家。 旧サント・マリー教会を見下ろす場所に彼の銅像があります。

この旧サント・マリー教会の塔には、ガラス張りのエレベーターが設置されていて、この塔のてっぺんまで登ることも出来るようになっているんですよ。

残念ながら、登れると気づいた時には、すでにエレベーターの運転が終わっていたので、登ることができませんでしたが。。。

 

旧サント・マリー教会のあるリベルテ広場は、たくさんの美しい建物に囲まれています。

 

リベルテ広場の先に見える高い塔は、サン・サセルド大聖堂(Cathédrale St-Sacerdos)

サン・サセルド大聖堂は、12世紀に建てられたサルラ修道院に数世紀に渡り改築が加えられて大聖堂となったもので、ローマ様式やゴシック様式など幾つもの様式が混在した建物になっています。

大聖堂の裏手には、古い古い墓地(jardin des Enfeus)があり、

その墓地の近くには、12世紀に建てられた死者の灯明塔(Lanterne des morts)という不思議なロケット型をした建物が建っています。

サン・サセルド大聖堂の正面の広場に建っているのが、ラ・ボエシの家(Maison de La Boétie)

この美しい建物は、16世紀にボエシという有名な哲学者が生まれた家なんだそうです。

サルラには、この他にも美しい建物がいっぱい。

どこを撮っても絵になる街並みです。

こんなに美しい町なので、観光客も多いのですが、モンサンミッシェルのようにタッキーな雰囲気もなく、とてもステキなところ。

アクセス的には、とても不便な場所にあるのですが、この町を訪れて本当に良かった!!

明日もまたサルラの話題が続きます。

 

→ サルラのおすすめホテルはこちら

 

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