2019年3月 ボルネオ島旅行
ブルネイ王国の首都バンダル・スリ・ブガワンに1泊した翌日は、ボルネオ島北西部のクチン(Kuching)へ移動。バンダル・スリ・ブガワンからクチンまでは、飛行機で約1時間15分です。

Japanese labels added to the map by Ranking Update [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)]
クチンの町があるサラワク州は現在ではマレーシアに属していますが、かつては、ブルネイ王国の領土でした。
19世紀中頃、ブルネイ王国は、ボルネオ島原住民の反乱に大変手を焼いていたのですが、イギリス人探検家ジェームズ・ブルックが原住民の反乱を鎮圧。その褒美として、サラワクが割譲され、ジェームズ・ブルックを王(ラージャ)とするサラワク王国が誕生しました。
ブルック家によるサラワク王国はその後約100年に亘り続き、クチンはサラワク王国の首都として栄えました。
そのため、クチンには、サラワク王国当時に建てられたコロニアル調の建造物が、今でも町のあちこちに残っています。
マレー系、中国系、インド系、イバン族、ビダユ族など、様々な民族が暮らしているクチンの町では、これらのコロニアル調の建造物だけではなく、多種多様な文化に触れることができるのも面白いところ。
古くから中国系の商店が多く集まるカーペンターストリート周辺には、ショップハウスと呼ばれる1階が商店で2階が住居になった建物や仏教寺院が並ぶレトロな街並みが広がり、
川沿いのメインバザールでは、アンティークやボルネオ島原住民族の民芸品などを売るお店が並び、
メインバザールから西へ向かって更に歩くと、古くからインド系ムスリム商人が営む商店が並ぶエリアがあり、モスクがあったり、シーク教寺院があったりと、エキゾチックな雰囲気にあふれています。
クチンは、サラワク川の川岸に作られた町。
町の繁華街があるサラワク川南岸の川沿いには遊歩道が続いていて、川の景色を見ながらのんびり散歩するのがとても気持ちいい!
川の南岸と北岸は、「ゴールデン・ブリッジ」と呼ばれる歩道橋で繋がっています。
ゆるやかなS字型を描くモダンなデザインのこの橋の上からの眺めが、素晴らしい!
橋の上からは、北岸にあるイスタナ(旧王宮)と州議会議事堂も一望することができます。
ちなみに、イスタナはサラワク王国当時に建てられた王宮で、現在は、州知事の公邸となっています。残念ながら、イスタナも州議会議事堂も、内部見学はできません。
サラワク川の北岸には、マルゲリータ砦(Fort Margherita)というコロニアル調の美しい砦も建っています。
サラワク川の南岸から、こんな渡し船に乗って、北岸に渡り。。。
500メートルほど歩くと、マルゲリータ砦に到着。
この砦は、海から川に侵入してくる海賊から町を守るために、第二代王チャールズ・ブルックが19世紀後半に築いたもの。現在は「ブルック・ギャラリー」として、ブルック王家とサラワク王国の歴史を展示する博物館となっています。砦の塔の上からは、クチンの町も一望することができますよ。
クチンでは、The Ranee Boutique Suites というブティックホテルに泊まりました。
カーペンターストリートやメインバザールのすぐそば、という、最高のロケーション。小さなホテルなのですが、ホテル内にはツアーデスクもあるし、ホテルに併設されたショップもセンスの良いものがたくさん置いてあって素敵でした!
クチンには、ヒルトンやプルマンなどの大手ホテルもあります。こぢんまりとしたローカルなホテルに泊まりたい場合は、私の泊まった The Ranee Boutique Hotel がおすすめですが、プールなどの設備が整ったモダンなホテルが好みの場合は、ロケーション的にも便利なヒルトンホテルをおすすめします。
今回、ボルネオ島で滞在した、コタキナバル、バンダル・スリ・ブガワン、クチン、という3つの町のなかで、私はこのクチンの町が最も気に入りました。
ロンリープラネットには「ボルネオ島の中で最も洗練された町」と書いてあったのですが、まさにその通り。
昨年訪れたペナン島のジョージタウンには敵いませんが、おしゃれなカフェやレストランもあり、
町のあちこちには、ウォールアートなどもあり、街歩きがとても楽しかったです。
次回のブログでは、クチン郊外にあるオラウータン保護区 Semenggoh Nature Reserve をご紹介したいと思います。
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