マハラジャのお城 アンベール城

インド

前回のブログで、ジャイプールの町は、この地のマハラジャのジャイ・シン2世が建設した町だと紹介しました。

ジャイ・シン2世が1727年にジャイプールに遷都するまで、この王家の都があったのが、ジャイプールの町から北に11キロほどのところにある、アンベール城


ちなみに、このアンベール城は、英語だと Amber Fort と記載されるので、てっきりアンバーフォートと発音すると思ってたのですが(実際、私たちに着いてくれたインド人のガイドさんもアンバーフォートと発音してたと思う)、日本語ではアンベール城と呼ばれているようなので、ここではアンベール城と記載することにしたいと思います。

このアンベール城があるアメール (Amer) という村には10世紀後半ごろから人が住んでいたようですが、11世紀に入ると、カチワーハ家がこの地を支配するようになり、この地にアンベール王国を樹立します。

この時代、インド北西部では、ラージプートと呼ばれる支配者層のカーストの諸族(ヒンドゥー系)がいくつもの王国を設立していました。(これらラージプートが築いた国の王様のことをマハラジャと呼びます。) アンベール王国を樹立したカチワーハ家は、このラージプートの一族です。

16世紀にイスラム系のムガル帝国が北インドに樹立されると、アンベール王国はヒンドゥー系ではありますが、ムガル帝国のアクバル皇帝と血縁関係を結んだり(以前ブログに書いたアクバル皇帝のヒンドゥーの妻というのが、このアンベール王国の皇女です)、ムガル帝国のために戦ったりして、ムガル帝国と良好な関係を結びます。

そして、アンベール王国のマン・シン1世(マン・シン1世は、ムガル帝国アクバル皇帝の軍司令官でもありました)は、もともとあった砦を改築して、1592年に、アンベール城を建設。 その後、ジャイ・シン2世がジャイプールに遷都するまで、このお城が歴代のマハラジャの居城となります。

さて、前置きが長くなりましたが。。。

このアンベール城、最初の写真を見てわかるように、小高い丘の上に建っています。 で、お城までどうやって登っていくかというと。。。

象の背中に乗っていくんです。。。

もちろん、歩いても登れると思うし、ジープに乗って登るオプションもあるみたいですが、「象に乗る」っていうのが、この日お願いしたガイドさんの組んだ日程に入ってたもんで、私たちも仕方なく象に乗って登りました。(結構揺れて怖かった。。。)

ようやくアンベール城に辿り着くと、いや~、ここからの景色の素晴らしいこと!

周りを幾つもの山に囲まれてるんですね。

で、この写真ではわかりにくいかもしれないんですけど、周りの山々の尾根には、万里の長城みたいな城塞がず~っと続いてるんですよ!!

そして、建物もとっても美しい!

ムガル帝国と血縁関係を結んだアンベール王国だけあって、イスラム様式もかなり取り込まれていますね。

でも、やっぱりヒンドゥーなので、こんな象の神(ガネーシャ)が描いてあったりします。

 

アンベール城の前にある貯水池に浮かぶイスラム様式の幾何学模様の庭園

 

宮殿内の中庭

 

鏡細工が美しい勝利の間

 

ガネーシャ門の上にある覗き窓からの景色。 宮廷の女性はここから宮殿の前の広場で行われる催し物などを覗いて鑑賞したんだそう。

 

アンベール城の更に上のほうには、もうひとつジャイガール城という城塞も見えます。

 

アンベール城の周辺には、しっぽの長~い、ちょっと変わったお猿さんがいっぱいいました。

↑背景の山にある万里の長城のような砦にも注目!

 

アンベール城と周りを取り囲む山々、そして万里の長城のような砦。 景色も美しいし、なんだかとってもロマンを感じる場所でした☆

 

さてさて、アンベール城の観光を終えて、ジャイプールに戻る途中、ジャル・マハル(水の宮殿)というところに立ち寄りました。

王家の夏の別荘として18世紀に建てられたものなんだそう。

とても綺麗に見えるのですが、実は、水が停滞しているために、水質悪化で蚊が発生したりと衛生的に問題があって、今は使われていないんだそうです。

ここで写真を撮っていたら、小さな子供が寄ってきて、ガイドさん経由で「手品を見せたいんだけど」とアプローチしてきたので、見せてもらうことにしました。

ガイドさん曰く、スラムの子供らしいです。 でも、物乞いをするのではなく、手品を見せてお金を貰おうという姿勢が偉いですね。 それに、とっても礼儀正しいんですよ。

手品のほうもとっても上手で、可愛かったです☆ 今でもこの男の子の声が耳から離れません。

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