クラクフの旧ユダヤ人居住区とシンドラーの工場

ポーランド

2016年6月3日〜6月7日 ポーランド [3]

2016-08-09-1

クラクフ旧市街の南に、カジミェシュ (Kazimierz) と呼ばれるエリアがあります。

カジミェシュは、ポーランド王国のカジミェシュ王がクラクフに隣接するサバーブとして14世紀に築いた街。

当時のポーランド王国では、ユダヤ人の基本的な権利が法律で保護されていたため、ヨーロッパ各国で迫害を受けていたユダヤ人たちがポーランドに移り住むようになり、クラクフでは、このカジミェシュにユダヤ人たちが集まって住むようになりました。

ユダヤ人居住区の中心だったシェロカ通り(Ulica Szeroka)

ユダヤ人居住区の中心だったシェロカ通り(Ulica Szeroka)

オールドシナゴーグ(現在は、ユダヤ人博物館となっています。)

オールド・シナゴーグ (現在は、ユダヤ人博物館となっています。)

オールドシナゴーグの隣に残る14世紀のシティウォール

オールドシナゴーグの隣に残る14世紀のシティウォール

その後も、数百年に亘り、ヨーロッパ各国から移ってくるユダヤ人は増え続け、カジミェシュには数々のシナゴーグが建設され、町は拡張されていきました。カジミェシュはユダヤ人居住区として繁栄の時を迎えます。

By Zygmunt Put Zetpe0202 - Praca własna, GFDL, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10609837

Photo Credit: Zygmunt Put Zetpe0202 [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], , https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10609837

Remuh Synagogue

Remuh Synagogue

Kupa Synagogue

Kupa Synagogue

18世紀末のポーランド分割により、ポーランド王国が消滅。オーストリアの領土となったクラクフでは、19世紀後半になると、ユダヤ人にも市民権が与えられ、ユダヤ人は、カジミェシュのユダヤ人居住区だけでなく、クラクフの町にも住めるようになります。

そして、第一次世界大戦後、ポーランドはポーランド共和国として独立を果たしますが、そんな喜びも束の間。。。

1939年にはナチスドイツ軍がポーランドを侵攻し、第二次世界大戦が始まります。ホロコーストの始まりです。

ポーランドに侵攻したナチスドイツ軍は、クラクフのヴァヴェル城をポーランドにおける本部としました。この時、ポーランド総督としてドイツから赴任してきたハンス・フランクは、クラクフから大量のユダヤ人を追放。1941年には、川向こうのポドゥグージェ(Podgórze)というエリアにゲットー (Ghetto) を造り、クラクフに残っていたユダヤ人約15000人をその中に隔離しました。(クラクフには、第二次世界大戦前には約64000人のユダヤ人が暮らしていたと言われています。)

ゲットーの中に隔離されたユダヤ人たちは、その後約2年間に亘り、ゲットー内で殺されたり、アウシュヴィッツなどの強制収容所へと移送され、1943年には遂にゲットーが解体されます。

この時の話が、あの有名な「シンドラーのリスト」です。 

ポドゥグージェには、オスカー・シンドラーの琺瑯工場が今でも残っており、博物館となっています。

2016-08-09-8

オスカーシンドラーに関する展示も若干ありますが、第二次世界大戦時のクラクフの歴史に関する博物館です。

2016-08-09-9

ナチス占領下におけるクラクフの変遷や出来事が時系列に体験できるようになっており、当時の様子が非常に良く判る展示になっていました。

+++++++++++++++++++++++++++ 

旧ユダヤ人居住区のカジミェシュは、戦時中および戦後の共産主義政権下時代はかなり荒廃していたようですが、近年になって修復が進み、個性的なお店やカフェが並ぶ、ちょっとボヘミアンなお洒落地区になってきているようです。

一方、ゲットーがあったポドゥグージェは、現在ではゲットーの名残は殆ど残っておらず(一部ゲットーの壁が残っている場所はあるようです)、殺風景なサバーブといった感じの町です。

川向こうのポドゥグージェにあるシンドラーの工場は、戦時中のユダヤ人迫害の歴史を知るにはとても良い博物館です。旧市街からシンドラーの工場までは少し距離がありますので、トラムを使うと便利。旧市街からul Starowiślnaという通りを南下するトラムに乗り、川を越えた最初の停留所で下車。そこから徒歩で10分強です。

 

コメント

テキストのコピーはできません。

SOWHATの世界旅日記をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました