トリエステで最も見ごたえがあったのが、サン・ジュストの丘の上に建つサン・ジュスト大聖堂です。
トリエステの町から古~い石畳の坂道と階段を登っていくと、サン・ジュストの丘の頂上に、サンジュスト城 (Castello di San Giusto) という城塞があり、その隣にサン・ジュスト大聖堂 (Cattedrale di San Giusto) が建っています。
古代ローマのフォルム(神殿)があったこの場所に、最初に教会が建てられたのは5世紀ごろ。その後、11世紀には、その教会が取り壊され廃墟となった場所に、小さな2つの教会が建てられました。そして、今ここに建っているサン・ジュスト大聖堂は、14世紀に、その小さな2つの教会をくっつけて1つの教会にしたものなんです。
教会の内部は、円柱と壁で5つの廊に仕切られています。
真ん中の部分は2つの教会を1つにするために14世紀に増築された部分。 そして、左側の2つの廊と右側の2つの廊は11世紀に建てられた2つの教会だった部分です。
こちらは、現在の教会の中央の祭壇奥にあるモザイク。
なんだかとっても不思議な色合いとデザインなんですが、これは1930年代に造られたモザイクなんだそう。どうりでちょっとモダンな感じがしますね。
この中央祭壇のモザイクも美しいですが、この教会の見所はこのモザイクではなくて、左右の廊にあるモザイクです。
左側の廊のモザイク
右側の廊のモザイク
左側の廊と右側の廊がそれぞれ独立した教会だった頃(12~13世紀)のモザイクです。 素晴らしいですね!
そして、驚きなのが、床には、一部、5世紀のモザイクも残っているんです。
5世紀の床モザイクが残っているなんて、凄いですね! 感動しました!
一方、サン・ジュスト大聖堂の隣にあるサンジュスト城のほうは、武器の展示などはありますが、城塞自体のメンテナンスが行き届いておらず、正直ちょっとがっかりするお城です。ただ、城塞の中からはトリエステの町や海、周りの山々などが一望できます。
この、サン・ジュスト城とサン・ジュスト大聖堂の建つ丘は、古代ローマ時代に町の中心だった場所なので、丘の麓には1~2世紀に造られたローマ劇場の遺跡が空き地のように放置されてあったり、丘を登っていくと紀元前に建てられた門が道の片隅にあったりして驚かされます。
それにしても、トリエステって、やっぱりイタリアの端っこにあるので、観光客が少ないんでしょうかね? 街自体には人もたくさんいるし活気もあるのですが、サン・ジュスト大聖堂やローマ遺跡のある丘では観光客は殆ど見かけずひっそり。
こんなに観光客が少ない場所に、こんな歴史的遺産がころがってるなんて、やっぱりイタリアの観光資源はただものではないですね。。。
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