ボルネオ島 ブルネイ王国

ブルネイ

2019年3月 ボルネオ島旅行


コタキナバルの次に訪れたのは、ブルネイ王国の首都バンダル・スリ・ブガワン (Bandar Seri Begawan)。コタキナバルからバンダル・スリ・ブガワンまでは、飛行機で約40分です。

Japanese labels added to the map by Ranking Update [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)]

ブルネイ王国の正式名称は、ブルネイ・ダルサラーム(Brunei Darussalam)といいます。三重県ほどの面積しかない小国ですが、16世紀には、ボルネオ島の大部分とフィリピンの一部も支配していました。

世襲の国王(スルタン)が国を統治する王国で、イスラム教を国教としています。

Omar Ali Saifuddien Mosque

 

石油と天然ガスという天然資源に恵まれたこの国では、国民の医療費や教育費は無料。所得税や消費税もありません。オイルマネーのおかげで、首都のバンダル・スリ・ブガワンは、道路などのインフラも整っており、街並みも整然としています。

JETROのウェブサイトによると、就業人口の半数以上が公務員で給与水準も高いため、あえてリスクを取って起業する国民も少ないのだとか。(→ JETRO地域分析レポート

たしかに、タクシーの台数が非常に少ないので前もって予約をしておかなければならなかったり、市場(マーケット)も驚くほど活気がなかったり、商売っ気がないというか何というか。。。

 

現国王のハサナル・ボルキア国王は、世界でも有数の大富豪。

ものすごい数の高級車コレクションがあるとか、ものすごい王宮に住んでるとか、いろいろと話題が多い方です。王宮は、普段は一般公開されていないのですが、毎年ラマダン明けの3日間だけ、一般開放されるんだそう。

ブルネイ王国は、法律上は「立憲君主制」となっていて、議会はあるのですが、実際には選挙は行われておらず、議員は国王が任命。国王が、首相、財務大臣、国防大臣、外務貿易大臣を兼任するという、事実上は「絶対君主制」の国です。つい最近(2019年4月3日)は、イスラム教のシャリア刑法が本格的に施行されたことがニュースでも大々的に報じられていましたが、今後ブルネイを訪れる方は、どういった行為が刑罰の対象になるのか認識しておく必要があると思います。(→ 在ブルネイ日本国大使館ウェブサイト

 

バンダル・スリ・ブガワンの町が面しているブルネイ川には、カンポン・アイール(Kampong Ayer)と呼ばれる巨大な水上集落があります。

水上集落はバンダル・スリ・ブガワンの町の対岸にあり、水上タクシーを使って簡単に訪れることもできるのですが、私たちは水上集落とマングローブのサファリを訪れるボートツアーに参加してみることに。。。

カンポン・アイールは世界で最も大規模な水上集落といわれており、現在でも約1万3千人もの人たちがここに住んでいます。

川の中に電柱が立ってる!!

決して貧しいから水上で生活しているわけではなく、ブルネイの人たちは、古くから、陸ではなくて、水上で生活をしていたんです。ブルネイ川の川岸に水上集落ができたのは1000年も前のことだと言われています。ロンリープラネットによると、100年前までは、ブルネイの全人口の約半分が、この水上集落に住んでいたんだとか。

モスクもある

 

学校もある

政府は町に住宅を建てて、カンポン・アイールの住民たちに陸へ移るように勧めているそうなのですが、昔から水上集落で生活をしていたため、今でも水上集落での暮らしを好む人たちも多いんだそうです。なので、水上集落には、昔からの古~い家だけではなく、近代的な新しい住宅も建っているんですよ。

ボートツアーのガイドさんに、ブルネイの人たちは、どうして陸ではなくて水上で暮らし始めたのか、と聞いてみました。

ガイドさん曰く、

• 魚を獲って暮らしていたので、水上生活のほうが便利だった
• ブルネイ川のこの場所は、地形的に水上集落を作るのに向いていた
• 陸地には首狩り族が住んでいたので、水上のほうが安全だった

とのこと。

なるほどね、陸地って言っても、マングローブのジャングルが茂っていたわけで、ジャングルの中には、首狩り族だけでなく、ワニやら毒蛇やら、危険なものがいっぱいいそうですよね。

 

水上集落を巡った後、ボートは川の上流方向へと向かいます。途中、最近新しく増築したという王宮の一部が見えました。

この辺りまで来ると、水上集落はまったくなくなり、川の両岸には、マングローブのジャングルが広がっています。

マングローブの森の中に、ひっそりと、第16代サルタンのお墓もありました

 

このボートツアーは、Mangrove River Safari Tour の名付けられているように、川をクルーズしながら、マングローブの森にいる動物を見るためのツアーです。

マングローブのジャングル

中でも、一番のお目当ては、ボルネオ島でしか見ることのできない「テングザル」。野生なので、必ず見ることができるとは限らないのですが、ガイドさんが、しっかりと目をこらして見てくれて。。。

クルーズ中、4か所で、テングザルの群れに遭遇することができました!!

お腹のところに赤ちゃんザルがいるの見えるかな?

上の写真はメスなので、鼻が小さめですが、オスはもっと鼻が大きいんですよ!

深い森の中にいるので、薄暗くてうまく写真がとれなかったりしましたが、肉眼だとかなりしっかりと見ることができました。感激!!!

 

クルーズ中はテングザルの他にも、マカクという猿や、川を横切る巨大なオオトカゲや、たくさんの鳥類に出会うことができました。

お天気も良く、爽やかで、景色も素晴らしく。。。

2時間半ほどのクルーズでしたが、とても楽しかったです!!

ちなみに、テングザルを見るのは早朝か夕方がいいそうで、ツアーは、8:00出発のものと15:30出発のものがあったのですが、私は15:30出発のツアーを利用しました。

 

バンダル・スリ・ブガワンでは、ラディソンホテルに泊まりました。

客室は結構年季が入った感じですが、普通に快適。町の中心にあるので、ロケーション的にはとても便利。フロントデスクやコンシェルジェのスタッフの方たちも、とてもフレンドリーで親切。午前中の早い時間に到着したにも関わらず、すぐに部屋を用意してくれたし、翌日もチェックアウトを夕方まで無料で延長してくれたのが、とても嬉しかったです。

→ Radisson Hotel Brunei Darussalam

 

ブルネイには、ブルネイドルという独自の通貨があるのですが、シンガポールドルも普通に使えます。(レートは、1ブルネイドル=1シンガポールドルです。)

私は日本人なのでブルネイ入国にビザは必要ないのですが、オーストラリア人の夫は、到着時にトランジットビザを購入する必要があって、その時は、シンガポールドルを使うことができず、入国審査場にある両替所でシンガポールドルからブルネイドルに両替する必要がありました。でも、この両替も1シンガポールドル=1ブルネイドルで、手数料も取られなかったようです。

コメント

  1. 藤原和夫 より:

    Mangrove River Safari Tour,面白そうですね。 大いに惹かれます。
    ところで、河の色は下流と上流で異なるようですが、下流域はカンボジア・トンレサップ湖の水上集落と同じように、汚水処理は河に垂れ流しですか?

  2. sowhat より:

    藤原さん、
    上水道と下水道、両方のパイプが通っているそうです。かなり大規模な水上集落なので、古い家屋などでは下水道と繋がっていないところもあるかもしれませんが。。。

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