世界の十字路 パナマ共和国

パナマ

コロンビアのボゴタに3泊した後は、パナマ共和国の首都パナマシティ(Panama City)へ。 ボゴタからパナマシティまでは、飛行機で約1時間半の道程です。

北アメリカ大陸と南アメリカ大陸を繋ぐ細長く延びた地峡に位置したパナマ共和国。そして、大西洋と太平洋を結ぶパナマ運河がその地峡を横断していることから、パナマは「世界の十字路」とも呼ばれています。

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Map from CIA World Factbook (Public Domain), https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=612136

パナマシティに到着すると、まず目に飛び込んでくるのが、まるでニューヨークやマイアミを思わせるような摩天楼です。

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パナマは、パナマ運河による中継貿易の他に、オフショア金融センターとしても有名なところ。昨年は、租税回避を請け負う法律事務所の「パナマ文書」なるものが流出して話題になりましたが、まさにあの法律事務所があったのがここ「パナマシティ」です。

他の中南米諸国と同様、約300年に渡りスペインの植民地だったパナマですが、1903年にアメリカ合衆国の後ろ盾でコロンビアから独立した後は、アメリカ合衆国との関係が深かったからか、パナマシティ新市街の街並みにはヨーロッパ的なものは殆ど感じられません。

そんなパナマシティの中で、唯一、スペイン植民地時代の趣きある街並みを見ることができるのが、「カスコ・ビエホ(Casco Viejo)」と呼ばれるパナマシティの旧市街です。

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16世紀にスペイン人によって作られた町パナマ・ビエホ(Panama Viejo)が海賊たちの襲撃で壊滅状態となったため、17世紀にこの場所に新しく町を築いたのが「カスコ・ビエホ」の起源です。

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近代に入ってからは、パナマの町が発展するに従い旧市街から新市街へと人口が移り、旧市街が廃墟と化していた時期もあったようですが、1997年にカスコ・ビエホがユネスコの世界遺産に登録されて以来、歴史的建造物の修復も進み、コロニアルスタイルの美しい街並みが戻って来ています。

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パナマシティの新市街にはアメリカ系のチェーンレストランも多く、食事に関しては今ひとつだなーなんて思っていたのですが、旧市街カスコ・ビエホでは、マドリガル(Madrigal)というとっても素敵なレストランに出会うことができました。

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「マドリガル」は、ミシュランガイドで星を獲得したスペイン人シェフがパナマの旧市街にオープンしたレストラン。

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古い石造りの壁にコンテンポラリーな家具を配したお洒落な店内で、地の素材を活かしたクリエイティブで美味しいお料理を楽しむことができます。ここ、オススメですよ!

さて、パナマを訪れたら、やはり「パナマ運河(Canal de Panama)」を訪れない訳にはいきません。パナマ運河は、太平洋と大西洋を結ぶ全長約80キロの水路です。水路と言っても、パナマ運河は、海面と同じ高さが続く水路式の運河ではなく、閘門と呼ばれる水門で水位を上下させながら船を行き来させる閘門式の運河です。

パナマ運河には3つの閘門がありますが、そのうち、最もパナマシティに近いのが、ミラフローレス閘門。ミラフローレス閘門にはビジターセンターがあり、テラスから、船が閘門を通過する様子を見学できるようになっています。

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この船は、太平洋側から大西洋側へ向かう船。

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船が入って来たら、閘門を閉じ、水を注ぎ水位を上げます。水位が上がって、船が次のセクションに移ったら、今度はそのセクションの閘門を閉じ、水を注ぎ水位を上げます。

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こうやって、水位を上下させながら、ゆっくりゆっくりと船が進んでいくんです。

ミラフローレス閘門のビジターセンター内には博物館もあり、パナマ運河の仕組みや、運河開通までの歴史が学べるようになっていますが、やっぱりミラフローレス閘門に来たからには、船が通過するところを見たいですよね!ということで、ミラフローレス閘門を訪れるのは、朝一番の9時がオススメです。

パナマシティからミラフローレス閘門へは、バスやタクシーでも行けますが、私は、City Sightseeing Panamaという乗り降り自由の観光バスを使って訪れました。

このCity Sightseeing Panamaという乗り降り自由の観光バスを利用すれば、パナマシティの西端のコーズウェイ(Causeway)と呼ばれるエリアも訪れることができます。

海に向かって細長く陸地が続くコーズウェイは、まるで防波堤のように見えますが、このコーズウェイは、パナマ運河を掘削した際に出た土砂を利用して、本土と沖にある3つの島の間を埋め立てて出来たもの。

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コーズウェイの西側にはパナマ運河の河口が、東側にはパナマシティの高層ビル群が見え、素晴らしい景色を楽しむことができますよ。

正直なところ、パナマは、旧市街にしても新市街にしても、コロンビアほどの観光的な魅力はありません。でもね、わずか115年前までは「コロンビア」という1つの国だったコロンビアとパナマが、その後の歴史の歩みで、こんなにも気質の違った国になったんだ、ということを実感できたのは、大きな収穫だったと思います。

パナマシティは、高層ビル群あり、旧市街あり、スラム街あり、と、様々な顔を持った町です。パナマシティの中にも、治安の良い場所と治安の悪い場所がありますので、観光の際には治安の悪い場所に足を踏み入れないように注意してくださいね。

→ パナマの宿泊施設を調べる

コメント

  1. koko より:

    こんにちわ。kokoです。

    なんとなくこちらのブログを拝見していて中南米の項目があるのでクリック。なんとそこにパナマがあるではありませんか!
    今年になってから旅行されていたのですね。

    懐かしい!
    私は今から20年以上前にパナマに5年ほど住んでいた(ついでに子供も2人生みました)ことがあるのです。
    海岸沿いの新興地区に高層ビルが建ち始めた頃でしたが 今は摩天楼が立ち並んでいるんですね!
    夫も呼んで2人で写真に見入りました。

    カスコ・ビエホとは初めて聞きましたが当時私たちがセントロと呼んでいた古い植民地時代の建物が並ぶ地区だと思います。汚い地区であまり小奇麗な服を着ていかないように注意した覚えが・・
    世界遺産に指定されていたとは驚き!

    高層ビルの建つ地区のすぐそばにスラム街とも呼ぶようなバラック建ての小屋が並んでいるような首都でしたが その頃から経済発展をし始めてましたね。

    観光資源などなにもないような国で季節も一年中暑く乾季と雨季があるだけ。

    ただ やたら法律事務所(パナマ文書でもお馴染み)と旅行代理店のオフィスがたくさんあり、世界中の金融機関が事務所を開き外国人ビジネスマンがたくさんいたような記憶が。

    懐かしいさと驚きで長く語ってしまいました。またコメさせて下さいね。

  2. sowhat より:

    えっ、kokoさん、パナマに住んでらっしゃったんですか!
    実は、私が日本に住んでいたころの会社の先輩も、ご主人のお仕事で、パナマに駐在されていたんです。
    多分、kokoさんがいらっしゃった時期と同じ頃ではないかと。。。
    私も、「あの時代と今ではかなり様子が違ってるんだろうなあ。。。」と思いながら、このブログを書いてました。

    今は、旧市街は大部分がきれいに整備されていていますが、旧市街の西側は今でも怪しい雰囲気が漂ってます。
    高層ビル街の直ぐ近くのスラム街、ありました。 空港から車で市内に入っていくと、摩天楼とスラム街が同時に目にはいってくるので、ちょっとびっくりしてしまいました。

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